果物や野菜に自然に含まれる糖、フルクトース不耐症とは?
フルクトース(果糖)は、果物、野菜、蜂蜜に自然に含まれる糖です。
フルクトースを消化または吸収できない人は、フルクトース不耐症の可能性があるようです。
フルクトース不耐症の症状や対処法を探ります。
フルクトース(果糖)不耐症の種類
フルクトース不耐症には、フルクトース吸収不良、遺伝性果糖不耐症の3つの種類があります。
1.フルクトース吸収不良
フルクトース吸収不良は、食物過敏症の一種と言われています。
遺伝や生活習慣、果糖の摂取、それに全体的な健康状態の組み合わせが原因となる可能性があるようです。
フルクトース吸収不良の人は、フルクトースを上手に吸収または消化できない体質をお持ちのようです。
その結果、フルクトースが大腸に入り、ガスや腹痛、消化不良などを引き起こします。
フルクトース吸収不良の人の中には、発酵性オリゴ糖、二糖類、単糖類、ポリオール (FODMAP) を含む食品に対しても過敏な人がいるようです。
また、フルクトースの吸収不良の危険因子には、腸に影響を与える可能性がある次のような疾患や症状があります。
-セリアック病: セリアック病は、グルテンの吸収不良に関係する自己免疫疾患です。
研究では、セリアック病の人の30人中7人がフルクトースの吸収不良も持っていることがわかったようです。
-過敏性腸症候群 (IBS): 過敏性腸症候群を患っている31人を対象とした研究でも、IBS の参加者10人中9人がフルクトースの吸収不良も持つことがわかったようです。
-急性胃腸炎: 一般的によく見られる腸感染症では、フルクトースやその他の栄養素の吸収不良だけでなく、炎症を引き起こす可能性があります。
-ストレス:精神的ストレスは胃腸管に影響を与える可能性があります。 IBS 患者の約40% で不安や抑うつが著しく増加しているのもこのためと言われています。
2.本態性フルクトスリア
本態性フルクトスリアの人は、フルクトースを分解できる肝フルクトキナーゼと呼ばれる肝臓酵素が不足している人を指します。
この状態の人は、通常無症候性であり、治療を必要としません。
本態性フルクトスリアは、両親から遺伝子を受け取った場合にのみ子供がその体質を持つようですが、さほど心配はなく、通常は治療を必要としないようです。
3.遺伝性果糖不耐症
遺伝性果糖不耐症は、比較的深刻なタイプの果糖不耐症のようです。
人がフルクトースや、ブラウンシュガーなどのフルクトース前駆体を消化できない場合に発生するようです。
2007年の研究によると、遺伝性フルクトース不耐症の人は、フルクトース-1-リン酸アルドラーゼと呼ばれるフルクトースの消化を助ける酵素がうまく働かないといったことがあるようです。
このため、未消化の果糖は肝臓や腎臓に蓄積します。そして、肝不全や腎不全などの深刻合併症につながる可能性があります。
フルクトースに不耐症の人は、膨満感、腹痛、下痢を伴うことがあるようです。
より深刻なフルクトース不耐症を持つ場合には、乳児期に症状を発症するようです。
ほとんどの赤ちゃんは固形物を食べ始めたときに症状を発症するようです。
症状は次のとおりで、治療しない場合には生命を脅かす可能性もあるため注意が必要です。
-甘いものへの強い嫌悪感
-成長の遅れ
-嘔吐
-黄疸
-身体発達障害
-過呼吸
-肝不全または腎不全
フルクトースの吸収不良を持つ人は、フルクトースの摂取量を減らすことで症状が緩和されることがあります。
ですが食事からフルクトースを完全に除去することは難しいです。
ただし、こちらの遺伝性フルクトース不耐症の人は、食事からフルクトースを排除する必要があります。
食事中のフルクトースの量を減らして、しばらく様子を見ても症状が緩和しない場合は、栄養、アレルギー、食物不耐症などを専門とする医師などに相談されることをお勧めします。
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