一日1gの塩分をカットした減塩で心臓病や脳卒中を予防する方法?
塩分の摂りすぎは体に良くない影響をもたらすとわかっていても、私たちは毎日塩分を含んだ食事をします。
ナトリウムの塩分の質によっても大きく左右されますが、食事の塩分を一日1gだけ減塩することで、心臓病や脳卒中のリスクを減らすことができるとの報告があります。
食事の塩分が体に与える影響や、塩分摂取量を減らすいわゆる減塩する方法から健康と予防についてのヒントを探ります。
塩分のとりすぎによる悪影響
塩化ナトリウムとしても知られる塩は、毎日の食事には欠かせない調味料の一つです。
また、塩に含まれるミネラルは、体内の体液のバランスをとるのに役立つことなど、多くの理由で体に必要な成分と言えます。
とりわけ、昔から伝承される本物の塩については、ナトリウムというよりも、ミネラル分として認識されることもあって、全ての塩分が同じという訳でもありません。
このように、食事を美味しくいただいたり、体が必要な機能を果たすために、私たちは一定量の塩を必要としますが、塩分の質と適量を守ることが重要です。
過剰な塩分を摂取すると、腎臓結石、血圧上昇、心臓病などの健康上の問題を引き起こす可能性があるようです。
「塩分摂取は、一般的に、高血圧および心血管危険因子の増加と関連しており、その結果、アテローム性動脈硬化症、心臓病、および心血管死をもたらし、これは世界で最も多い死因を表しています」
ロサンゼルスのボード認定心臓専門医であるエルンスト・フォン・シュワルツ博士は、過剰な塩分摂取の影響をこのように説明しているそうです。
塩分摂取量を1g減らすと
中国の塩分摂取量がかなり多いことに着目したある研究では、塩分摂取量を1g減らすことで、虚血性心疾患のリスクを4%、脳卒中のリスクを6%低下させることが示されたそうです。
人々が2030年までこの1gの減少を維持すれば、900万人の心血管疾患症例を予防できるという報告もされたようです。
コンピュータモデルは、1日あたりわずか1グラムの塩分摂取量を減らすことで、2030年までに400万人の命を救うことができることを示しているそうです。
一人一人が塩分の摂取量を減らすことで、心血管疾患や死亡を減らすことができるだけでなく、医療機関への負担を減らすことにも貢献できるとも言えそうです。
塩分摂取量を減らすために
ナトリウムは、ほとんどの食品に含まれています。
スナック類などだけではなく、パンなど少し意外なものでもナトリウム含有量が高い食べ物が沢山あります。
それらを念頭に置いた上で塩分摂取量を減らすためには、栄養表示をチェックして消費する食品のナトリウム含有量に注意を払うことから始めることをおすすめします。
ナトリウム含有量が高い食べ物を食べた場合は、その日の残りの食事では、塩分含有量の低い食品を食べるなどの工夫が必要そうです。
また、調理の際に食べ物にどれだけの塩を加えるかも意識することも大切です。
手作りの食事では、塩分の量を自分で調節できるため、既製品ではなく自分で調理することは塩分の摂取量を減らすためにはとてもおすすめな上に有益と言えそうです。
また、食塩代替物は、塩分摂取量を調節するのに役立つ可能性があります。
塩分が気になる場合は、調理の際に塩の使用を制限し、代わりに乾燥ハーブやスパイスを取り入れることが推奨されます。
乾燥ハーブやスパイスを加えることで、風味や抗酸化物質を加える代わりにナトリウムは加えないため、美容や健康により良い食事をとることができそうです。
また、食事中のナトリウムのバランスをとるためには、一般的にカリウム摂取量を増やすことも有効な方法とも言われています。
カリウムは必須ミネラルの一つで、塩分の排出を促すなどの重要な役割を果たす栄養素だからです。
カリウムは、主に果物や野菜などの植物性食品に多く含まれています。
ナトリウム摂取量を減らすように心がけながら、果物や野菜をたくさんいただくことで、心臓病や脳卒中のリスクを減らすことができるかもしれません。
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引用文献:
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