セリアック病の症状と食事は何を避けて食べるべき?
セリアック病は、世界中で約100人に1人がかかっていると言われていますが、その多くは知らず知らずのうちにこの病気にかかっています。
セリアック病は、グルテンに反応する免疫系による自己免疫疾患です。
グルテンとは、小麦、大麦、ライ麦などの穀物に含まれるタンパク質群の名前です。
セリアック病の人は、グルテンが体内に入ることで腸内の炎症を引き起こすことが多いと報告されています。
繰り返しグルテンの摂取が行われると、小腸が徐々に損傷し、食物から栄養素を吸収することにまで影響を与える可能性があります。
セリアック病の人が症状を避ける唯一の方法は、グルテンを摂取しないことと言われていますが、それを実行するのは厳しいと言えるのではないでしょうか。
セリアック病の症状や、避けるべき食べ物について再確認してみます。
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セリアック病の症状
セリアック病の症状は軽度から重度まで様々で、時間の経過とともに変化する場合があります。
若い時には発症せず、年を取ってから発症する人もいます。
また、栄養不足や貧血を発症するまで、セリアック病に罹患していることを知らない人も多いかもしれません。
子供は大人よりも症状を発症する可能性が高く、その多くは次のような消化器系の症状になります。
-腹痛
-満腹感
-慢性下痢や便秘
-吐き気や嘔吐
また、消化器系ではないセリアック病の症状には次のようなものがあります。
-減量
-慢性疲労
-うつ病や不安
-関節痛
-口内炎
-疱疹状皮膚炎と呼ばれる発疹
-四肢の神経損傷(末梢神経障害と呼ばれ、脚や足にうずきを引き起こす可能性があります)
セリアック病の人は、腸への損傷により徐々にビタミンB12、D、Kなどの栄養素の吸収を抑制するため、栄養不足や鉄欠乏性貧血を発症する可能性があります。
さらに、セリアック病は大腸や他の器官への損傷をも引き起こす可能性があります。
また、セリアック病により、子供の体が栄養素を吸収すること妨げられた場合、発達または成長の問題につながる可能性があります。
何を避けて食べるべきか
セリアック病のほとんどの人にとって、グルテンフリーの食事に切り替えることで症状が大幅に改善され、数日から数週間で改善に気付くことがあります。
腸の損傷は、食事からグルテンを除去してから数週間以内に治癒し始めると言われています。
小児では、小腸は通常3~6ヶ月程度で治癒するとも言われています。
その一方で、成人では、完全な治癒には数年かかることがあるとの報告も存在しています。
グルテンは小麦、ライ麦、大麦に含まれるため、米以外の多くの穀物、パスタ、そして多くの加工食品にはグルテンが含まれています。
また、ビールなどのアルコール飲料にも注意が必要です。
次の加工食品には、グルテンが含まれる場合が多いため注意が必要です。
-スープの缶詰
-サラダドレッシング
-ケチャップ
-マスタード
-調味料
-アイスクリーム
-加工肉やソーセージ
また、食品ではないものの、次のものもグルテンを含む可能性があります。
-処方箋や市販薬
-健康食品(サプリメント)
-歯磨き
-化粧品(口紅、リップグロス、リップクリームなど)
このような加工食品や製品などは、購入前にラベルを確認することが重要です。
健康のために大切なお金を出して購入する健康補助食品のサプリメントにも、グルテンや乳成分をはじめとするアレルギー反応が出る成分やアレルギー物質なども含まれていることが少なくありません。
また、健康補助食品に含まれている添加物で腸内環境に影響を与えたり、アレルギー反応の引き金などになっていることも考えておくことがおすすめといえます。
グルテンを含まない食品
グルテンを含まない食品には以下のようなものがあります。
-肉と魚
-果物と野菜
-米、アマランス、キノア、そばなどの穀物
-米粉
-トウモロコシ、キビなどの穀物
-パスタ、パン、焼き菓子、などで、「グルテンフリー」と表示された商品
つまり、伝統的な和食を食べることにより、自然とグルテンフリーの食生活に近づくことができます。
私たち日本人には、比較的挑戦しやすいグルテンフリーの生活ですが、パンやパスタなどの美味しい物も沢山あるためその誘惑に負けてしまいそうになることもあるかもしれません。
最近ではグルテンフリーの商品も沢山開発されており、グルテンフリーのラーメンもあるようです。
そのような商品を取り入れることも選択肢に入れることで、挑戦しやすくなるかもしれません。
それらの多くはグルテンに代わる粉を固めただけのものと言われるかもしれませんが、それでもアレルギー反応などが出るよりは、良いとの考えもあります。
また、セリアック病の人では、栄養不足を予防するためにビタミンやミネラルのサプリメントを摂る方も増えてきています。
サプリメントをお選びの際も、グルテンフリーのサプリメントかどうかの確認を怠らないようおすすめいたします。
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