有機ゲルマニウムのアトピー性皮膚炎などへの皮膚保護効果?
アトピー性皮膚炎は、喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルギー性疾患とも関連する、皮膚の慢性的な炎症性疾患です。
通常、アトピー性皮膚炎の治療には、ステロイド剤が処方されることが多いようですが、なかには長期間のステロイドによる治療後に皮膚トラブルが起こる場合も報告されています。
近年は自然界に存在する成分をはじめとする肌に優しいもので、まずは試してみたいという人も増えていることもあり、ステロイド剤はその次の選択肢とされる人も一定数おられることが報じられていました。
いろいろな成分が研究報告されていますが、今回は近年再注目されている有機ゲルマニウムが脚光を浴びています。
アトピー性皮膚炎に対して、有機ゲルマニウムはどのように使用されているのでしょうか?
有機ゲルマニウムの皮膚保護の効果についての研究報告から、健康肌のヒントを探ります。
ゲルマニウムとは?
ゲルマニウムとは、記号Geと原子番号32を持つ化学元素です。
自然界でも鉱物に含まれるため、地下深くの海水やその海水に浸された部分から育った植物にも含まれる貴重成分で、その健康効果は計り知れません。
ゲルマニウムは、漢方で免疫力を高めるといわれる高麗人参には特に豊富に含まれます。
また、霊芝(レイシ)、ニンニク、クコの実にも豊富に含まれることで有名です。
有機ゲルマニウムは
有機ゲルマニウムは、ゲルマニウムと炭素などの化合物のことを指しています。
日本では1960年代頃に一度大きな人気となった経緯があります。
日本においては主に、一部の食品や化粧品の成分として使われてきた歴史があります。
アメリカでは、主にサプリメントとして使用され、現在でも医療の現場でも研究が続いていることでも知られています。
有機ゲルマニウムは、免疫向上、慢性疲労やうつ病から始まり、腫瘍抑制や痛み止めにまで効果が期待できるとの報告もあります。
また、有機ゲルマニウムは体内に蓄積された物質を排出する、いわゆるデトックスの働きもあることが報告されています。
有機ゲルマニウムを摂取することで、血液に乗って体中を循環し、デトックスの役目も担うという報告です。
このことから、体内のアレルゲンを排除することにつながり、アレルギー性鼻炎や喘息などのアレルギー性疾患にも効果が期待できる物質とも言われているようです。
そして、皮膚保護の観点からはアトピー性皮膚炎にも効果が期待できそうです。
有機ゲルマニウムとアトピー性皮膚炎を含む肌保護効果
酸化ストレスは、お肌の細胞を攻撃する最も有害な要因の1つです。
まざまな種類の活性酸素が、皮膚細胞の機能を失わせます。
たとえば日光中の紫外線は、皮膚における活性酸素を増やし、ご存知のように、シミやしわの原因となることが報告されています。
これらの症状に、有機ゲルマニウムが役立つ可能性が示唆され、商品化が進められているとのことです。
皮膚の損傷に対して有効である有機ゲルマニウムは、真皮細胞に何らかの効果を発揮することが期待されています。
一方、アトピー性皮膚は、アレルギー性によるものですが皮膚表面のバリアー機能が損なわれた状態になります。
有機ゲルマニウムは、慢性接触皮膚炎のマウスモデルにおいて、皮膚バリアー機能の破壊を減少させたそうです。
この研究結果より、有機ゲルマニウムがアトピー性皮膚炎の治療に有用な薬剤の候補となり得ることが示されました。
まとめ
有機ゲルマニウムは自然に含まれる貴重で大切な成分です。
ゲルマニウムは必ずしも体に必要な成分として認識されているわけではありませんが、デトックス効果をはじめとした健康効果が後を絶たず、昔から一定の人気が保持されている成分といえます。
アトピーをはじめとする皮膚炎にお悩みの方にも重宝されているようです。
気になる場合には、食べ物や食事では補うことができないために、サプリメントでまずは試してみられるのも一つの選択肢といえるかもしれません。
関連記事:
ゲルマニウムの構造と働き
ゲルマニウムと慢性疲労
問い合わせる
引用文献:
A novel organogermanium protected atopic dermatitis induced by oxazolone
Organogermanium suppresses cell death due to oxidative stress in normal human dermal fibroblasts