マシュマロはお菓子だけではなく咳や乾燥、消化にも!?
マシュマロと聞くと、甘いお菓子を連想される方がほとんどかと思います。
ですがお菓子のマシュマロは、もともとはマシュマロという植物の根から取れるデンプンを利用して作られていたそうです。
マシュマロは、ヨーロッパ、西アジア、北アフリカを原産地とする多年草で日本名ではウスベニタチアオイと呼ばれています。
主に観賞用以外にハーブとしても用いられています。
その歴史は長く、消化器系、呼吸器系、皮膚の状態を治療するためなどに何千年もの間、民間療法として使用されてきました。
特に、その根に含まれる粘液に、その効能は詰まっているようです。
咳や風邪
マシュマロの根は、咳や風邪を治療するために役立つ可能性があります。
研究によると、マシュマロの根を含むハーブの咳止めシロップが風邪や気管支炎などの気道疾患による咳を和らげるのに有効であることが報告されています。
この研究では、12日以内に、62人の参加者全員が症状の86~90%の改善を経験したそうです。
マシュマロの根の粘液は、細菌を阻害する酵素として作用するとの報告もあります。
マシュマロの根エキスを含むトローチは、咳や喉の痛みを和らげる効果があるそうです。
皮膚や創傷治癒
マシュマロ根の抗炎症効果は、湿疹や皮膚炎による皮膚刺激を和らげるのにも役立ちます。
研究によると、20%のマシュマロ根抽出物を含む軟膏を使用すると、皮膚刺激が軽減されることが判明しました。
マシュマロの根エキスは、母乳育児中のひびの入った乳首や、乳房の痛みを治療するためにも使用されています。
マシュマロの根の安全性に関するデータは存在しませんが、マシュマロに対するアレルギー反応はほとんど報告されていないため、母乳で育てられた乳児に有害である可能性は低いとされています。
またマシュマロの根は、創傷治癒に効果的である可能性のある抗菌活性を持っているようです。
ある動物実験の研究結果によると、マシュマロ根抽出物が、感染症の原因であるグラム陽性細菌を治療する可能性があることを示唆しています。
ラットの創傷にマシュマロの根抽出物を塗布したところ、抽出物はほかの抗生物質と比較して創傷治癒の効果が高かったそうです。
消化促進、腸内張りの修復
マシュマロの根はまた、便秘や胸やけ、そして痛みを伴う場合を含む消化器系の状態を治療する可能性を秘めていることが報告されています。
研究報告によると、マシュマロの花の抽出物がラットの胃潰瘍の治療に役立つ可能性を見出したようです。
その抗潰瘍活性は、抽出物を1ヶ月間服用した後に認められたようです。
また、マシュマロの根は消化管の刺激や炎症を和らげるのに役立ちます。
研究では、マシュマロの根からの抽出物が刺激性粘膜の治療に使用できることが判明した。
報告によると、粘液含有量が消化管の内層上に組織の保護層を作り出すことがわかったとのことでした。
マシュマロ根はこのように、組織の再生をサポートする細胞を刺激することが可能なようです。
また、マシュマロ根の抗酸化物質として作用する可能性にも注目が集まっているようです。
心臓の健康サポート
様々な心臓病の治療におけるマシュマロの花エキスの可能性も研究され続けています。
動物実験では、心血管疾患に関連して、脂肪血症、血小板凝集、またはほかの炎症の治療における液体マシュマロの花抽出物の効果が調査されているようです。
それによると、花の抽出物を1ヶ月間服用すると、HDLコレステロール値にプラスの効果をもたらし、心臓の健康を促進することが発見されたそうです。
まとめ
日本でもしばしば見かけるウスベニタチアオイは、可憐な薄桃色の花を咲かせます。
ですがこのハーブは、消化器系、呼吸器系、皮膚の状態だけでなく心疾患にも効果が期待される、力強いハーブであることが示唆されています。
身の回りにある植物には、私たちの健康に役立ってくれる力があるものも沢山あります。
植物と共生しながら健康も育っていくのは、先人からの教えの1つかと思いますが、健康に活かせれば、素晴らしいことではないでしょうか。
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引用文献:
Everything You Need to Know About Marshmallow Root
Marsh Mallow (Althaea officinalis L.) and Its Potency in the Treatment of Cough
Marshmallow
ウスベニタチアオイ(Wikipedia)