口腔カンジダの予防や症状にクルクミン?
カンジダは、世界中で真菌感染症の最も一般的な原因の1つであり、年間400,000件以上の感染の原因となっています。
一方、クルクミンは、抗酸化作用、抗癌剤、抗炎症作用、抗菌作用、その他の治癒効果を含む多数の特性を持っていることが報告されています。
これまでにもカンジダやクルクミンの情報を何度かご紹介してきましたが、本日は口腔カンジダ症とクルクミンとの関連についてお伝えしたいと思います。
口腔カンジダとは
真菌感染症の最も一般的な原因の1つであるカンジダ症の発生率は、人口の高齢化と免疫不全患者数の増加により、最近増加していることと報じられています。
カンジダ種のうち、カンジダ・アルビカンスは、口腔カンジダ症の主な原因病原体と考えられています。
カンジダ・アルビカンスは、口腔組織や、義歯床表面への高い接着能力があると考えられています。
カンジダ属は、さらに口の中の様々な微生物と相互作用し、除去が困難なバイオフィルムを生成します。
悪化すると、歯肉炎や他の上部消化器官カンジダ症の併発なども考えられます。
また、HIV感染症や血液疾患では免疫力低下のために口腔だけでなく咽頭・食道のカンジダ症も併発する恐れがあります。
カンジダは常在菌であるため、健康な人の場合は発症することはありません。
しかしながら、口腔内環境の他に、何らかの基礎疾患(血液疾患、免疫不全症、糖尿病など)や、抵抗力の弱い乳幼児や高齢者、免疫抑制剤や抗菌薬の投薬治療を受けている人は、発症の可能性が高いとされています。
クルクミンとカンジダ菌
クルクミンは、ウコンから抽出されるとても大切な天然化合物の一つです。
ウコンは英語名をターメリックと言い、香辛料としても多用されている植物の根の部分です。
アーユルヴェーダやインド料理に使われ、日本でも、カレー粉に用いられるほか、二日酔い対策のサプリメントの原料としても用いられています。
クルクミンの原料であるウコンは食品添加物として広く利用されていることもあり、様々な分野において研究が進められています。
中でも注目されているのが、クルクミンの主要な特性の一つである抗真菌活性です。
様々なカンジダ感染症に対するクルクミンの効果を分析た研究によると、クルクミンおよびその誘導体の製剤の組み合わせを適用することにより、真菌感染症、特にカンジダ症における薬物耐性を克服するために効果的である可能性があることが判明しました。
その他口腔カンジダと関連のある自然の治療薬
クルクミン以外でも、口腔カンジダを治癒するために効果的と考えられている天然の成分は次の通りです。
-バジル
バジル抽出物は、カンジダ属に対して潜在的に使用される可能性があります。
バジル抽出物が、バイオフィルムの成長、付着、および形成を阻害するための大きな可能性を秘めていると言われています。
-つくし
一般に「つくし」として知られている植物もまた、抗真菌性の重要性を持つ植物の一つです。
つくしの抽出物は、病原体のコロニー形成を最小限に抑え、代謝を低下させ、義歯口内炎を治療および予防するための有望な解決策の一つとも言われています。
-シナモン
シナモン精油、シナモン抽出物、および純粋な化合物はまた、病原体に対して有意な抗菌活性を示すことがわかっています。
-プロポリス
プロポリスもまた、抗カンジダ活性を示す別の天然物です。
プロポリスのヒドロアルコール抽出物をマウスリンスとして使用した完全義歯患者への研究では、カンジダ酵母の80株
(C.アルビカンス20株、C.トロピカリス20株、C.クルセイ20株、およびC.ギリエルモンディ15株)に対する感度テストにより、プロポリスの抗真菌活性が報告されています。
まとめ
上記で提示された生物医学的戦略は相乗効果においてとりわけ効果的との報告もあります。
これらの組み合わせや、古典的な抗真菌薬に関連して新しい治療選択肢の効果など、日々研究が進められています。
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引用文献:
クルクミン(Wikipedia)
カンジダ(Wikipedia)
口腔カンジダ症(Wikipedia)
Anti-Candida Activity of Curcumin: A Systematic Review
Biomaterials for the Prevention of Oral Candidiasis Development