ナイアシンなどのビタミンB群と脳の健康
ナイアシン(ビタミンB)は現代人や高齢者には特に必要な栄養素で知られています。
その理由として、ナイアシンには脳の働きと大きな関連があることが挙げられています。
ビタミンB群には、8つの水溶性ビタミンが含まれ、細胞機能において特に重要な役割を果たしているのです。
その効果は、エネルギー産生、DNAやRNAの合成と修復、神経化学物質やシグナル伝達分子の合成など、脳機能の多くの側面に広がっています。
8つのビタミンB群
ビタミンB群には、次のように8つの種類が存在しています。
-ビタミンB1(チアミン)
-ビタミンB2(リボフラビン)
-ナイアシン(ビタミンB3、ニコチン酸、ニコチン酸アミド)
-パントテン酸(ビタミンB5)
-ビタミンB6(ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン)
-ビオチン(ビタミンB7)
-葉酸(ビタミンB9)
-ビタミンB12(シアノコバラミン)
ビタミンB群はいずれも水溶性で、炭水化物をエネルギーに変える手助けをする働きがあります。
また、ビタミンBは腸内細菌によって合成されます。
そのため、腸内環境を整えたり、抗生物質の使用を避けたりすることでビタミンBの合成を促すことができます。
抗生物質の使用によって腸内細菌が減ることにより、ビタミンBが合成されずにビタミンB欠乏症となることが報告されています。
ビタミンB群とホモシステイン代謝
ビタミンBの不足は、血中ホモシステイン濃度を高くしてしまう原因となります。
血中ホモシステインとは、メチオニンの代謝における中間生成物ですが、この濃度が高くなることにより、動脈硬化や神経の炎症や酸化ストレスに関連してきます。
ビタミンBは、血中ホモシステインの代謝に関わってくるため、ビタミンBを補充することにより血中ホモシステイン濃度が上がることを防ぐことができます。
このような研究は、現在も進められています。
代謝の神経および血液バイオマーカーに対する6ヶ月間の高用量B群ビタミン補充の直接的な影響の研究の報告があります。
この実験では、30歳の健康な成人32人(女性20人、男性12人)が6ヶ月間にわたり高用量B群ビタミンをサプリメントで補充しながら、血液検査(ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ホモシステインレベル)、さらに脳のMRS検査を受けました。
その結果、サプリメントがビタミンB6とビタミンB12レベルを増加させ、ホモシステインの代謝の促進に有効であることが確認されました。
これの研究結果は、ビタミンB群の補充が酸化ストレスと炎症を軽減することに有効であることを示しています。
ビタミンB群と脳
このように、ビタミンB群と脳には密接な関連があることがわかっています。
ビタミンBの中でも特にナイアシン(ニコチンアミド)は、神経機能障害、うつ病および他の心理的障害、および炎症性疾患を含む疾患等に対して有効であることが示唆されています。
特に前駆体であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチドは、近年栄養補助食品としても注目が集まっています。
現在までのところ重篤な副作用の可能性は見つかっていません。
ですが、その長期にわたる使用や副作用については研究が進められています。
まとめ
健康な身体、特に脳機能に不可欠なのはビタミンB群が豊富な食事です。
ビタミンB群は、次のような食べ物に多く含まれます。
豚のレバー、卵、牛乳、乳製品、牛肉、鶏肉、
サーモン、ほうれん草、牡蠣などの貝類、豆類・・・
健康な体と脳のために、ぜひ食卓に豊富なビタミンB群を取り入れていただけますと幸いです。
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引用文献:
ビタミンB群
ビタミンと脳
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