子供のアレルギー性鼻炎とプロバイオティクス
アレルギー性鼻炎は、今や世界中の人々に影響を及ぼしています。
特に最近では、子供にその割合が高いのが見受けられます。
典型的な症状である鼻や眼の症状に加えて、これらの症状が睡眠の質に関わってくることにより、昼間の眠気や生活の質の低下につながります。
このような症状を軽減するために、薬以外でもできることがありそうです。
プロバイオティクスの投与など、薬以外で軽減することができるのでしょうか?
アレルギー性鼻炎と喘息
アレルギー性鼻炎は、一般的なアレルギーの症状の一つです。
これは、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーから始まり、アトピー性喘息を含むアレルギー障害の1つである可能性があります。
中でもアレルギー性鼻炎と喘息には、大きな関連があることがわかってきているようです。
子どものアレルギー症状は、学校生活にも影響が出てくるとみられ、速やかな症状の緩和が求められています。
アレルギー性鼻炎の治療
アレルギー性鼻炎の治療は、日々研究され進歩しています。
より負担の少ない方法でアレルゲンによるアレルギー症状の発症を予防し、まずは喘息の発症リスクを含めたアレルギー全体の症状を抑えることを目的としています。
子供の患者に対してできることは、環境制御(アレルゲンが特定されている子供の場合)と、薬物療法(抗ヒスタミン薬、鼻腔内へのコルチコステロイド)が主なものとなっているようです。
また、舌下免疫療法などのアレルゲン免疫療法も、薬物療法では管理できないほどの重度のアレルギー性鼻炎の患者において考慮されてきています。
アレルギー性鼻炎と食べ物
プロバイオティクスは、免疫システムのバランスを調節する能力, また、アレルゲンに対する感受性を減らすことができることが報告されています。
これにより、アレルギー性鼻炎の患者の症状と生活の質を向上させるのに有益な場合があります。
特に、ラクトバチルス・パラカゼイ菌は有効とされています。
実験の結果、ラクトバチルスパラガゼイはアレルギー性鼻炎を持つ患者の生活の質を向上することが示されています。
また、最近の研究においてスピルリナがアレルギー性鼻炎に対して効果を発揮することもわかっています。
スピルリナは青緑色の藻の一種です。
スピルリナの摂取によって免疫機能が調節され、鼻水の排出、くしゃみ、鼻詰まりおよびかゆみを抑制する可能性があることがわかっています。
子供とプロバイオティクス
アレルギー性鼻炎だけでなく、子供のプロバイオティクスの投与の様々な利点については、世界中で研究されています。
プロバイオティクスは、宿主に健康上の利点を与える微生物が多数含まれています。
特に、薬での治療が不得意な子供の健康上の管理または予防のためにプロバイオティクスが選択されることも増えてきています。
たとえば、風邪などの治療における抗生物質投与による下痢の症状の緩和にもプロバイオティクスが選択されています。
プロバイオティクスの投与は、副作用のリスクがないことからも選ばれやすい治療法の一つとなっています。
ラクトバチルスパラガゼイは、他の乳酸菌と同様に即効性はありませんが、ヨーグルトなどを毎日摂取することで少しずつ変化が感じられるかと思います。
最近では、市販のヨーグルトにどのような種類の乳酸菌株が入っているか明記してあるものも増えてきています。
自宅でできる食べ物を中心として考える食事療法の一つとして、乳製品にアレルギーが無い場合などは取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考文献
アレルギー性鼻炎の最近の進歩
アレルギー性鼻炎:メカニズムと治療
アレルギー性鼻炎の治療のためのプロバイオティクスの系統的レビューとメタ分析
プロバイオティクスはアレルギー性鼻炎の治療に役割を持っているか?総合的な系統的レビューとメタ分析
小児科のプロバイオティクス.レビューと実務ガイド
アレルギー性鼻炎に対するスピルリナの影響
小児抗生物質関連下痢の予防のためのプロバイオティクス