健康で長生きするために口腔内健康のデンタルフロスの活用も?
口腔内のケアは、近年注目されつつあります。
ですが、口内健康のために定期的に歯科医院に行っている方はまだまだ多くないのではないかと思います。
虫歯治療のため、歯周病予防のため、審美的なものなど、人それぞれではありますが、比較的足が遠のいている方が多いのではないでしょうか?
予防としてのデンタルフロスなどの報告から口内の健康ヒントを考えてみます。
歯周病は、世界人口の20%ほどにまで影響を与えている口腔細菌感染症の1つとして伝えられています。
「歯周病になりたくない」と思って生活している方がほとんどだと思いますが、実際に歯周病になるとどのようなことが起こるのでしょうか?
口腔内のケアがどのくらい健康寿命とかかわっているか再確認してみました。
1.歯周病とうつ病
うつ病は、ともすると自死を選ぶ場合もある深刻な疾患です。
うつ病の原因の一つには、口腔内のケアもかかわっているようです。
ご存じのとおり口腔内には、何億ともいわれる細菌が住み着いています。
この細菌群は腸内に存在する菌と似通っていることからも、腸内環境にも影響することがわかっています。
歯周病菌が増えることにより、腸内細菌のバランスが崩れ、それがうつ病の間接的な原因となり症状を悪化させる場合があるようです。
2.歯周病と呼吸器疾患
うつ病と同様に、歯周病は患者の歯周組織への影響から始まり、全身に影響を与える可能性があることがわかっています。
糖尿病、肥満、老化、高血圧など、さまざまな要因が歯周病と密接に関連しています。
根本的なメカニズムや因果関係は完全には確立されていませんが、研究により、呼吸器疾患に萌一興を及ぼすことがわかっています。
報告によると、コロナウイルスにも広く関連するであろうこともわかっています。
つまり、歯周病の状態が悪化している人は、コロナウイルスなどの呼吸器疾患の合併症のリスクも高まる可能性があります。
これについては日々研究が進められていますが、心配な方は留意しておくことがおすすめといえます。
3.歯周病と糖尿病やその他の疾患
歯周炎の治療により2型糖尿病患者の血糖コントロールが改善され、血管疾患や心血管疾患を発症するリスクが低下することも報告されています。
口内の健康がまさか糖尿病、血管の健康や心臓の健康ともつながっているとは思いもしないかもしれません。
米国では、糖尿病などの慢性疾患を持つ人々のための歯周の治療を広める動きが進んでいます。
研究の結果、歯周炎の患者の間で歯周治療の適用範囲を拡大することにより、改善された血糖コントロールを介して歯の喪失と関連する微小血管疾患を大幅に減らすことが期待されます。
2型糖尿病で口腔の健康状態が悪い患者に歯周治療を受けるように勧めることは、健康状態を改善し、それでもコスト削減または費用効果が高いでしょう。
他にも歯周病は、腎症、神経障害、網膜症、心血管疾患にも大きなかかわりがあるとされています。
4.歯周病を防ぐにはデンタルフロス
虫歯の痛みがないのに歯科に通うことは敷居が高いと感じられる方も多いかと思います。
ですが、まずはデンタルフロスを欠かさずに行うことは、健康寿命を延ばす第一歩と考える専門家も増えてきているようです。
歯垢と歯周病に対して効果的なのは、歯磨きのみの場合よりデンタルフロスと歯磨きの併用の方が良いという報告も存在しているようです。
毎日の習慣となっていない方でも、慣れてしまえばデンタルフロスなしではいられないくらい、実感もしやすいことも考えられます。
口腔ケアや健康寿命を延ばすという意味でも、デンタルフロスを日々の習慣に取り入れてみて、どう感じるかを試す価値はあるかもしれません。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31882408/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27068254/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32592918/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19138178/