血栓を予防する生活習慣におすすめ
新型コロナウイルス関連の報道などで、血栓という言葉をたびたび耳にするようになりました。
血栓とは、血管内に発生する血の塊のことを言います。
血栓は、血管中の血液の流れを止めてしまうリスクがあり、深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。
血栓によって引き起こされる症状には、今まで元気だった人が突然病に倒れる場合もあります。
血栓を予防する生活習慣にはどのようなものがおすすめと考えられているのでしょうか?
1.血栓の種類
血栓にはいくつかの種類があります。
心臓や脳などの動脈に血栓ができることを、動脈血栓症といいます。
人々の死亡原因の上位に位置する心筋梗塞、脳梗塞がこれに当たります。
心筋梗塞、脳梗塞では、今まで元気だった人が、急に発症してしまう場合も多くあります。
そのため、これらの疾患は「サイレントキラー」とも呼ばれます。
対応が遅れると高い確率で命の危険も伴うとも言われているくらいに、大変恐ろしい疾患といえます。
静脈に血栓ができると、静脈血栓症と呼ばれます。
足に血栓ができる深部静脈血栓症は、足に血栓ができ、それが肺などに移動する恐れのある恐ろしい疾患です。
いわゆる「エコノミークラス症候群」がそれにあたります。
血栓が剥がれて血流中を循環する血栓のことを、塞栓と呼びます。
塞栓症は、「血栓が飛ぶ」と表現されることもあります。
塞栓が血管内を流れていき、どこで止まるかわからないので、恐ろしい血栓症の合併症の一つとなっています。
2.血栓のリスクが高い人
次のような方は、血栓症のリスクが高くなると報告されています。
-タバコを吸う
-コレステロール値が高い
-肥満または太りすぎている
-糖尿病を患っている
-不規則な生活を送っている
-活動量が少ない
-遺伝性
特に、太っている場合やコレステロール値が高い方などは、アテローム性動脈硬化のリスクも高めます。
アテローム性動脈硬化とは、脂肪の沈着物が血管を覆い、詰まらせる状態です。
アテローム性動脈硬化により、血栓が動脈や静脈を詰まらせやすくなってしまいます。
普段から脂っこい食べ物やジャンクフードを好んで食べる人は、特に注意が必要です。
3.血栓を予防するためには
-喫煙を避ける、またはやめる
-肥満を避けるために体重を減らす
-甘い物や脂っこい食べ物は避けて健康的な食事をとる
-塩分を控える
-散歩や有酸素運動などの定期的な運動をする
-規則正しい生活
健康的な食事の例として、ハンバーガーなどのジャンクフードや欧米化した食事よりも、DHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸を多く含む魚をメインとした日本食をベースにすることもおすすめされています。
また、クルクミンなどフラボノイド類を含む一般的に呼ばれるポリフェノールを豊富に含む栄養素を意識することも血栓から身を守ることにつながりそうです。
野菜の食物繊維や納豆などの大豆製品も血栓予防には効果が期待できそうです。
まとめ
血栓を予防するためには、喫煙をやめ、健康的な食生活を送ることがおすすめです。
また、太っているという自覚のある方以外でも「隠れ肥満」の方も注意が必要です。
健康診断で、メタボリックシンドロームと診断された場合なども、ぜひ生活習慣の見直しがおすすめといえます。
上記以外の方でも、現代人にとってはいつ、だれに起こってもおかしくない疾患の一つである血栓症なのではないでしょうか。
普段からさっぱりした食事を意識する、早起きをして一駅歩く、良い睡眠をとって規則正しい生活をする、喫煙している方は少しでも本数を減らす、など小さなことからでも心掛けておくことで、少しでも安心につながるのではないでしょうか。
https://www.medicalnewstoday.com/articles/318522
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29052850/