骨折予防におすすめのビタミンC栄養素
アメリカでは毎年150万人以上もの人が何らかの骨折を経験していると現地の専門誌では報じています。
報告では国が負担するアメリカのヘルスケアシステムにかかっている年間費用だけで少なくとも14億ドルとの発表があり、1ドル100円として日本円に換算したとしても骨折関連だけで年間1400億円の計算になります。
日本では定かではありませんが、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル栄養素や、カルシウムの合成に欠かせないビタミンDの栄養素が不足していること、高齢者が転倒して骨折したことがきっかけで入院にいたること、子供でも運動中に骨が折れやすい状態になっていること等の報告を観る限りでは楽観視はできないといえます。
骨折リスクを下げるビタミンC栄養素:
ボストンにあるタフス大学のキャサリン・L・タッカー博士と同僚が行った分析調査では、長年かけた調査でビタミンCの栄養素が骨折するリスクを大きく下げると判明したと報告しています。
調査開始の1980年後半から男性365人、女性592人で平均年齢75歳を対象として行われた調査のフラミンハム骨粗しょう症調査から15〜17年をかけて食生活についての質問を実行をし、その後の追跡データでは、結果的に男女共に1日換算で最もビタミンCの栄養素摂取(1日ビタミンCを300mg以上)が多い人たちは、最も低いビタミンC栄養素摂取の人たちにおける脊椎骨を含まないお尻や他の部分の骨折が少なかったと報告されました。
受益はビタミンCの栄養素を含んだ食事や食べ物というよりは栄養補助食品であるサプリメントと関連していたということです。
男女共にビタミンCを1日に平均して260mg摂取することで、約69%においてお尻の骨折経験が少なく、約42%が脊椎骨を含まない骨折が少ないと述べられています。
研究者らはビタミンCは骨、軟骨、結合組織細胞の生産に生化学反応を求められ、丈夫にするコラーゲンの合成に欠かせない栄養素でありながらも摂取しても役割を終えた数時間後には排出されるとした上で、栄養素が不足することで骨折などの影響に関係することが考えられるとして伝えています。
ビタミンCで予防と、食べ物に含まれる栄養素:
毎年150万人もの人が骨折を経験するというデータには驚きましたが、同時に栄養素を含む食べ物からしかわたしたちの身体はできないということを考えると、ビタミンCを含んだ食べ物から恩恵を受ける必要性があるといえます。
食べ物に含まれるビタミンCの栄養素としては、魚介類や肉類の動物性食品にはふくまれず、野菜や果物に豊富にビタミンCは含まれています。
野菜では特にピーマン、芽キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ほうれん草やゴーヤを始めとする食べ物にビタミンCは含まれていることで知られます。
また果物では、レモンや柿、キウィやイチゴにビタミンCの栄養素が含まれています。
日本では直近20年間で生鮮野菜も果物も一人当たりの摂取量は下がり続けていることが政府による発表でわかっています。
加工食品にはビタミンやミネラル、酵素などの栄養素の摂取は期待しにくいことからも、便利でどこでも簡単に口に入れる食べ物が手に入る時代だからこそ、何を口にするかを考える必要があるのではないでしょうか。
参考にした情報:
Sahni S, Hannan, MT, Gagnon D, et al.
Protective effect of total and supplemental vitaminC intake on the risk of hip-fracture-a 17-year follow up from the Framingham Osteoporosis study.
Osteoporosis International, 2009;20:1853-1861