顎関節症の原因と症状に関連する生活習慣や食事栄養素は?
顎関節症の原因は様々と言われはっきりとは解明されていませんが、症状についての改善方法は生活習慣や食べ物や食事などの食生活と大いに関連があるようです。
顎関節症を改善に導く栄養的な観点からのアプローチはどのようなものが報告されているのでしょうか?
・顎関節症とは
あごの関節および周囲の筋肉組織と骨の構成の不整合などによる傷みや動かしにくさ、違和感のある状態を顎関節症と呼ばれています。
成人の最大15%が発症するとされ、主な発症年齢は20~40歳が一般的のようです。
一般的な症状には、顎の痛みや機能障害、耳痛、頭痛、顔面痛などがあり、生活に支障をきたすこともあります。
・顎関節症の原因
顎関節症の病因は現在はまだはっきりとはわかっていないようです。
研究によると、顎関節症心理的ストレスの間には相関関係があることがわかっています。
発症する人には、ストレス、不安、うつ病など、さまざまな心理的ストレスを感じている方が多いようです。
顎関節症の要因には 関節関連と筋肉関連がありますが、特に筋原性による発症の場合は、痛みの重症度が増し、心理的苦痛が増すとの報告がされています。。
・顎関節症と睡眠
睡眠時無呼吸症候群や、睡眠時の歯ぎしりによっても顎関節症は引き起こされるようです。
質の良い睡眠が顎関節症の対策ともなるようです。
質の良い睡眠を導くためには、メラトニンというホルモンの分泌が必要となります。
メラトニンを睡眠時に分泌させるためには、日中に分泌されるホルモン、セロトニンが必須です。
ホルモンのメラトニンは朝起きて日光を浴びてから15時間前後してから出始めることが一般的とされていますので、朝陽を浴びることで睡眠の質の向上についての効用の1つと言えるのではないでしょうか?
別名、しあわせホルモンと呼ばれる脳内ホルモンであるセロトニンは、必須アミノ酸のトリプトファンを摂取することより分泌されます。
トリプトファンは体内で生成できないので、食事から摂取する必要があります。
トリプトファンが多く含まれている食材は、大豆製品、乳製品、卵、バナナなどです。
また、カルシウムもトリプトファンとの相性が良いようです。
ただし、それらの食べ物や食事でアレルギー反応があるような場合では、十分に留意して専門家の指導のもとで実行することがおすすめです。
・顎関節症に関連する栄養素
顎関節症のある人とない人のビタミンDや副甲状腺ホルモンの値を調査した研究があります。
研究によると、顎関節症の患者では、ビタミンD欠乏症に反応した副甲状腺ホルモン値の上昇が顕著であることが分かりました。
顎関節症を患っている方は、ビタミンD欠乏症にも留意が必要ということがうかがえます。
ビタミンDが欠乏するとカルシウムの生成もうまくいかなくなることからも、骨や骨格への影響もあるのかもしれません。
ビタミンDは、紫外線を適度に浴びることにより生成されますが、食事で補う場合は肉類、卵、バターなどの乳製品に多く含まれます。
ビタミンDは、顎関節症以外にも健康とのつながりの大きな栄養素です。
顎関節症に関わらず、ストレスや睡眠の質、ホルモンの変化などはいずれも健康や予防にとても大切な要素といえますので、必要に応じて見直すことがおすすめといえます。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25822556/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29854038/
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