ビタミンD栄養素の欠乏と肥満と食べ物
欧米では近年ビタミンD栄養素の人気が高まってきています。
太陽のビタミンで知られる脂溶性栄養素のビタミンDの栄養素ですが、近年報告されている調査報告の多くは、日光浴だけでは十分なビタミンDを体内に取り入れることができず、他の栄養素やサプリメントなどの補助食品の活用をおすすめする専門家も今まで以上に多くなっている傾向にあるようです。
今回は新しい報告の中から、私たちが気にもしていなかった体重とビタミンD栄養素の関係を報告した記事から情報共有いたします。
ビタミンDの栄養素と体重の関係?:
もし、あなたが体重過多であったり、肥満度が高い場合は体内のビタミンD値が欠乏していることや、身体は更に多くのビタミンDの栄養素を欲している可能性が大きいといえそうです。
オーストラリアのシドニーにあるセント・ビンセント病院のポール・リー博士と同僚が行った調査によると、肥満度が上昇するに伴って体内のビタミンD3レベルが低かったり、欠乏している傾向にあると報じています。
リー博士と同僚を中心としたグループの調査では、病院内の95名の患者における体内のビタミンDの値と体重を測定した結果、患者のビタミンD値は彼らの体重とは反対に反応していることを発見し、体重が重い人ほどビタミンD値が低くなっていると報告しています。
研究者らは深刻なビタミン不足患者17名に対し、1週間にわたりビタミンD3の栄養素を1日に10,000IU摂取してもらったところ、1週間後に数値を測定した結果、患者のビタミンD値の増加に伴い、彼らの体重との関係が観られたようです。
その観測の内容からは体重が重い患者程、彼らの血液中のビタミンDレベルの増加は少なく、今回の治験報告では、体重過多あるいは肥満の人になるにしたがって、よりビタミンD値が不十分であったり、欠乏状態にあることが明らかになったと結論付けてた報告でした。-
食べ物のビタミンD栄養素:
太陽のビタミンで知られるビタミンDだけあって、日光浴を20分程度するだけでも体内合成されることで知られていますが、蓄積する類の栄養素とは違うために毎日太陽に浴びることが大切なことで知られています。
ビタミンDの栄養素が多く含まれる食べ物は魚介類に多く、しらす干しやイクラ、サケ、サンマやイワシ、うなぎの蒲焼き等に含まれています。
また魚介類以外ではキノコ類に特に多い栄養素で、食べ物としてはキクラゲやマイタケ、ぶなしめじ、エリンギ、シイタケに豊富に含まれることがわかっています。
ビタミンDは血液中のカルシウム濃度や筋肉収縮とも深く関わる栄養素で、骨や歯を強く保っておくためにも大切な栄養素であることからも、日々の食べ物で意識的に摂取することがおすすめです。
参照文献:
Lee P, Greenfield JR, Seibel MJ, et al.
Adequacy of vitamin D replacement in severe deficiency is depended on body mass index.
American Journal of Medicine, 2009;122:1056-1060.