がんや病気予防の食事栄養素とグルテン
アメリカで近年において最も有名な家庭医で知られるファーマン博士。
以前から欧米化した日本の食卓について残念なメッセージを伝えていました。
長い歴史を持つ日本では伝統的に、栄養価が高く、よく考えられてきた、他国がうらやむ健康的な和食で成長してきた国ですが、手軽においしく簡単なパンや小麦粉を使用した欧米の食材を食べる機会がどんどん増え、野菜や果物のようにビタミンやミネラル、アンチオキシダント栄養素のファイトケミカルやポリフェノールをはじめとする栄養素を豊富に含んだ食材の摂取量が減り続け、炭水化物や糖質が一般的に多くなりすぎていることを嘆いています。
総務省の家庭調査から:
確かに日本の総務省や厚生労働省が行った一人当たりの生鮮果実年間購入量を拝見しても、年代別一日あたりの果実や野菜の摂取量を調査した国民健康・栄養調査を拝見しても、いずれも年を追う毎に摂取量は減り続けていることがわかります。
先日の朝日新聞には一週間のうち、スーパーやコンビの総菜やファーストフードで食事を済ませる割合が、平均すると46.3%にもなると発表されたことを知りました。
それらのデータは調査の仕方や質問の内容での変動もあるかもしれませんが、近い数字だとしたとするならば、日本で2〜3人に1人はがんになり、日本で最も高い死因となっている現状にもうなずけるように思います。
それは、アメリカでも90年代初頭までは現在の日本のような状況だったからでもあります。
アメリカでは現在、がんで命を落とす人の割合は血管関係の疾患に抜かれて1990年代以降、低い状態が続いています。
その理由の1つはアメリカ政府が70年代に発表したマクガバンレポートや80年代のチャイナスタディーのようにがん予防の研究と健康に関わる調査報告に人や資金を投下し、地道に野菜や果物の大切さを訴えてきながら、改善を目指してきた結果のように思えます。
その結果として、90年代はじめからアメリカにおけるがんの死亡は右肩下がりになったのではないでしょうか。
アメリカの食:
とはいえ、アメリカは周知のとおり肥満が多く、その低年齢化も問題になっているのも事実です。
直近10年で彼らのウエストは平均3センチ増加しているデータさえあるといわれます。
子供の肥満だけでなく、ADHDや自己免疫疾患も多く、グルテンが原因の発症する下痢にもなりやすいグルテン過敏症や、セリアック病、腸管漏れで知られるLGSのリーキーガットシンドロームも多く、改善するように多くの専門家が訴えを続けているのも事実でもあります。
多額の研究費や多くの専門家を何年もかけて投じて投資されたチャイナスタディーの結論は肉食をもっと減らすと共に、もっと多くの野菜や果物を摂取することの大切さを物語り、ファーマン博士が日本に発信するメッセージのように日本でもがんセンターがおすすめする病気予防策ともその内容は重なります。
膨らみ続けるこの国の医療費を減らすことも大切ですが、私たちの5年後や10年後、の健康を考えてみても長寿国に住むわたしたちにとっては健康で日々生活できる健康寿命を延ばして不自由な生活にならないためにも、それらの情報に耳を傾けながら、必要ならば何よりも自分自身のためにも実行するよう求めていくぐらいの覚悟も必要なのではないでしょうか。