健康を維持するために口腔内のケアを大切にすべき理由
口腔内には、最大700種類の細菌が生息しています。その数は最大で10億個にも上るともいわれています。
口腔細菌の中にはもちろん、良性であったり有益なものもあります。
しかしながら、虫歯や歯周炎の原因となるものも多く存在します。
身体の健康を考える場合に口腔内のケアを怠ってはいけない理由を調べてみました。
・歯周病と全身性の疾患の関係
1980年代には、虫歯や歯周病と全身性疾患との関連の可能性が明らかになり始めました。
虫歯は、主に初期の歯垢の酸により歯の表面の固いエナメル質が破壊され引き起されます。
歯垢の構成物質の80%を占める連鎖球菌は、主に口腔内から脳血管疾患の進行と血栓性の疾患と関与している可能性があります。
他の多くの要因とともに、脳卒中および心臓発作のリスクを高める可能性があります。
また今や30代以上の人のほぼ半数がかかっているとされる歯周病は、心疾患の危険因子として考えられています。
歯周病に関連する口腔病原体が血液中に入りこみ、内臓に蓄積し、そこで他の因子と相互に作用して疾患を引き起こす可能性があることが分かっています。
心疾患の他にも、脳卒中、炎症性腸疾患、アルツハイマー病、そしてガンの一因ともなり得るということが分かっています。
・口腔内衛生と食事や栄養
口腔内衛生を健康に保つためには、毎日のケアはもちろんのこと、定期的に歯科で検診をしたり必要に応じて治療をすることが不可欠です。
また、口の中に入れるものは、全身の健康だけでなく、歯や歯茎にも影響を与えます。
甘い食べ物や飲み物を食べたり飲んだりすると、虫歯や歯周病の原因となる細菌に栄養を与えることとなります。
一方で、口腔衛生にとって有益となる重要な栄養素もあります。
ビタミンC:研究により、ビタミンCの摂取量が多いほど歯周病のリスクが低いことがわかっています。
ビタミンD:歯周病はビタミンD欠乏症と関連があることがわかっています。ビタミンDを適切に補給することでは歯周炎の重症度を軽減するのに役立ちます。
クルクミン:クルクミンは、口腔内衛生においても効果的な抗菌力を持つことが分かっています。
ベルベリン:抗菌剤および血糖バランス剤として一般的にも使用されているベルベリンは、骨形成(骨細胞形成)を増加させることがわかっています。
メラトニン:メラトニンは身体の自然な睡眠を誘導するホルモンであり、抗酸化物質としても知られますが、最近の臨床試験では、メラトニンの補給が歯周病の外科的治療に役立つ手段のひとつであることが示されました。
このように、歯周病や虫歯は口腔内だけにとどまらず全身性の疾患の危険因子となり得ることが分かっています。
そのため、口腔内のケアを怠ってはならないのです。
口腔内を清潔に保ち、定期的に歯科検診に行くと同時に、適切な栄養をバランスよく摂取することで私たちの健康はいっそう守られることでしょう。
情報源:
https://www.medicalnewstoday.com/articles/324485#Gums-and-the-brain