糖尿病予防の食事と栄養素と対策
●糖尿病は世界で急増中:
2014年9月3日の東京新聞朝刊の第二面に大きく「糖尿病 世界で急増」の見出しで書かれていました。
世界各国が集う糖尿病関連団体である国際糖尿病連合の発表では昨年2013年の成人20歳から79歳の糖尿人口は3.8億人を超えており、10年前と比較するとその数は2倍以上に膨らんでいます。
ちなみに日本での糖尿病人口はというと2012年度時点で950万人と政府が行う国民健康栄養調査では報告されており、その数は1997年の調査開始以来、増加の一途にあると同時に、糖尿病になる可能性があるいわゆる糖尿病予備軍を入れると2,050万人にものぶるということです。
●糖尿病とは?:
同東京新聞記事内にある糖尿病に関しての説明には「糖尿病とは体内ホルモンのインスリンが不足したり、うまく働かなかったりして血液中のブドウ糖の濃度が高くなる病気」と書かれています。
また、糖尿病の原因についても次のように書かれています。
「遺伝的な要因のほか、食べ過ぎや運動不足などが引き金となって起こるため、生活習慣病の代表的な一つに挙げられる。」
糖尿病は特に自覚症状が無いといわれている病期ですが、知られるところでは喉の渇きに加えて疲れやすい症状が続くことではないでしょうか。
ここで留意しておきたいのは「生活習慣病の代表的な一つ」という部分です。
遺伝的な部分は割合でいうと他の病気でも言われる全体の10%程度であるとするならば、残りの大きな割合は何と言っても食生活で、その後に運動不足などの生活習慣ということになるのではないでしょうか。
●糖尿病を予防するために:
アメリカ政府管理下にある米国疾病管理センターが発表する糖尿病に関するデータでは、2000年に生まれた子供たちの3人に1人にあたる約33.3%は乏しい食生活と運動不足の原因によって糖尿病を発症すると試算しています。
これは何も遠い国のことを示すデータではなく、近年の日本における食生活においてもアメリカ同様に高い割合で消費されている加工食品や炭水化物、スイーツを含むスナック類や清涼飲料水の消費、特に炭水化物と加工食品においては引けをとらない急速な普及を日本はしています。
アメリカでは高まる社会全体の医療費以外の問題点でもある個人が支払う高すぎる治療費によって病院にすらいけない人が多く存在することから、政府や非営利団体組織等によって公共の学校や施設では炭酸や砂糖を含む清涼飲料水やスナック類の自動販売機の撤去がニューヨークやカリフォルニア州を中心に進んでいます。
フランスやメキシコでも糖尿病をはじめとする生活習慣病の原因になる高カロリー食や加工食品、清涼飲料水は高く課税が課せられており、今年5月には見かねた国連の食糧問題担当から高カロリー食やジャンクフード等の不健康な食事はたばこを吸うよりも不健康と発表した上で、各国に対応を迫るまでになっています。
●糖尿病と食事:
糖尿病の予防段階のうちは適正な食事や運動を摂り入れることで改善される可能性もありますが、初期段階を過ぎた場合は、糖尿病の場合では腎臓や網膜、神経や動脈など体内で互いに補う働きをする部位との関連性が高いために病院などの専門家の元で改善を目指されることをお勧めします。
糖尿病の予防の食生活では、まず食事全体の見直しが必要かと思います。その中でも優先順位は何と言っても上記に述べれれている高カロリー食や加工食品、清涼飲料水を大きく減らすことではないでしょうか。
アメリカでよく言われるのはそれらを減らす代わりに新鮮な野菜や果物を増やすことです。
特にサラダ等の生で食べることでビタミンやミネラル、アミノ酸や消化酵素などの栄養素をそのまま残すと同時に、食物繊維を中心にした栄養素が腸内での健康的な循環を早めたり、血流を整えることができます。
和食では海藻類やキノコ類、こんにゃく、生の玉ねぎや緑黄色野菜は特におすすめで、糖尿病の予防に推奨したい人気度として挙げられます。
果物ではリンゴや柑橘類、いちじく、キウィ、いちご、すいか等もおすすめの食材です。
食生活以外では足の筋肉が衰えてくると糖尿病は発症しやすいとも言われますので、足の筋量を減らさないように普段エスカレーターやエレベーターを使用されるのであれば、登りを階段にするというのも良いのではないでしょうか。
気になる場合は是非お試しください。
2014/09/03の更新版です。
2014年9月3日付東京新聞朝刊第二面「糖尿病について」