60代や70代の女性とマグネシウム栄養素
●マグネシウム栄養素についての日欧米:
カルシウムと同じくして二大ミネラルの1つで知られる栄養素のマグネシウムは体内で300以上の生化学反応のために必要不可欠な栄養素です。
健康的な免疫組織を維持したり、安定的に心臓を動かしたり、強い骨や筋力と精神的にもマグネシウムの栄養素は欠かすことができないと米国国立衛生研究所によって伝えられており、ヨーロッパでも同様な内容に加えて、疲れの軽減にも欠かせない栄養素であることを公表しています。
日本も含めて、先進国の多くの国々で慢性的なマグネシウムの栄養素不足が伝えられていることもあり、近年におけるマグネシウムと健康についての研究報告は後を絶ちませんが、今回はヨーロッパから届いた研究でマグネシウムと60代と70代の女性についての最新の報告をお伝えします。
●健康的な60代と70代の女性とマグネシウムの最新の研究報告:
60代と70代の女性に適度に身体を動かす運動と共にマグネシウム栄養素を含む毎日のサプリメント補給が、年齢を重ねた女性の物理的なパフォーマンスの向上につながることが最新の研究で報告されているとアメリカン臨床栄養ジャーナル2014年9月号080168に記載されています。
イタリアにあるパドヴァ大学医学部内の老年医学、心臓や血管化学、生物統計、疫学と公的衛生を専門にする複数の研究グループが行った研究調査によると、ランダムに選出した健康的な60代と70代の139人(平均年齢71.5歳と5.2歳前後の年齢差)の女性に対し、12週間にわたりミネラル栄養素であるマグネシウムのサプリメントを経口摂取してもらい、物理的な身体能力の向上につながるかどうかの内容についての調査でした。
1日に300mgのマグネシウムのサプリメントを毎日補給するグループとプラセボ粒に割り振りを行い、軽度の運動ブログラムに参加する調査で、12週間後の基礎的な運動能力の違いを測定したところ、マグネシウムのサプリメントを補給する60代と70代の女性グループにおいては、椅子に立つ時間や歩行速度等において酸化マグネシウムのサプリメントを摂取しない60代と70代の女性よりも明らかな優位差が認められたとアメリカン臨床栄養ジャーナルでは報告をし、マグネシウムを補給することで60代と70代の女性においては身体能力の低下を予防したり、遅らせたりする可能性を示唆しているものと結論付けられています。
●マグネシウム栄養素の食事と不足:
最近アメリカの政府が公的に発表した内容では、一般的なアメリカの食事で補えるマグネシウム栄養素は、一日に必要な量の40%程度しか補給できていないと報じられました。
マグネシウムをはじめとするミネラルや他の栄養素が不足している食事であることが報告されています。
また60代や70代の女性あるいは老若男女問わずアメリカに住む全人口の40%以上の人々において慢性的にマグネシウムが不足していることも発表されました。
●日本における食事と栄養素:
アメリカで最も著名な家庭医のファーマン博士が行った日本人へのアドバイスによると、日本でも昔と異なり、近年の経済発展と共に便利さを追求する日常的な食生活で炭水化物、加工食品、塩分、それに動物性脂肪の摂取量が年代を問わず多いことが病気の若年化に拍車をかけていると共に、野菜や果物から摂取するビタミンやミネラルの栄養素が慢性的に不足していると分析しています。
最近になりファーストフード店やコンビニ、スーパーで使用されていた海外生産の加工肉についてのニュースが続いています。マグネシウムや他のビタミンやミネラル類に限らず言えることですが、今一度私たちの食事ときちんと向き合う姿勢が問われているように思えます。
2014/08/30に書いた記事の更新版です。