子供の食事とバランス栄養素
子供の食事とバランス栄養素
●環境変化と子供の栄養素：
子供は大人とは異なり一定の成長時期に筋肉や骨、臓器も含めて短期間のうちに大きな変化を遂げる時期があります。昔の日本国内で騒がれた時期があった子供のようにある種のビタミンＢの栄養失調による微量栄養素不足による脚気などをはじめとする症状は減ったものの、近年の便利さや企業の利益追求を行っている結果、歪みが生じてきているようにも思います。
近年子供における栄養摂取の変化により、骨や筋肉の発育が間に合わないことでの体調不良や、食品を効率良く育てることへの追求による土壌栄養価の減少や、便利さのあまり他の先進国よりも増え過ぎた食品添加物も原因になるアレルギー、先人から伝承されてきた食文化から西洋化した食文化の取り込み等によって子供の栄養素や健康を取り巻く環境はここ数十年の間に急速に大きな転換を迎えました。経済発展に伴い便利になった点と置き去りにされた部分が日本の子供の健康にも大きな影響を与えています。
●国連からの子供へも栄養バランス改善依頼：
2014年5月21日の日本経済新聞夕刊によると、国連のあるジュネーブでは2014年5日20日までに高カロリーで栄養バランスの悪いファーストフードや加工食品のジャンクフードの消費が高すぎることで健康に大きな不安と脅威、ダメージを与えている不健康な食品に対して異例のメッセージとも言える、「たばこより脅威」という強い警告を発表したいわゆるファーストフード規制の発表がなされました。
日本においても言えることですが、大人だけに限らず子供にも肥満が進行し、健康上の影響が出ていることが大きな課題となっています。
肥満を促す高カロリー低栄養素の加工食を中心とする食品や、砂糖類を多く含むジュースやスポーツ飲料をはじめとする飲み物に対して課税をはじめとする規制強化を促しています。
以前のたばこ規制の時のように適切な食事を摂り入れる各国の基本合意が必要と説いており、子供についても各国の政府だけに頼らずに国連からも喚起を促す策に出ていることで、栄養バランスの大きな再転換を促しています。
●米国の子供への栄養素配慮：
子供の3割前後が栄養の偏りによる肥満とも言われる米国では、平均すると各食事の45％前後が加工食品であったり、10％前後が動物性食であることに加え、エンプティ―カロリーと表現される栄養価が低くカロリーが高い加工食品の抑制規制や、人工的に添加された油のトランス脂肪酸の使用禁止、炭酸飲料水などによる糖分抑制においての規制を強めています。
アメリカではここ数年だけでもアメリカ国内の公立の学校から炭酸飲料や砂糖を多く含むスナック類の自動販売機の使用禁止や大手ファーストフード店への子供用プレゼントの変更や抑制、子供に関わらず発がん物質にも指定される人工添加された油でスナック類やスイーツ、マーガリン等にも使用されるトランス脂肪酸の使用禁止等の規制が次から次へと出されています。
●日本の子供と栄養素：
残念ながら日本においては何の規制もなされていないために、子供と親による食事と健康の選択に全ての責任が肩に重くのしかかっている状況です。
先人から和食が伝承されている時代や核家族ではなく共同生活が主だった時代では良かったのかもしれませんが、近年のようにこれだけどこでもコンビニやファミリーレストラン、スーパーをはじめとする子供ですら何でも簡単に手に入る時代に入り、忙しい親の生活環境を考えると、さまざまな症状や病気の若年化が問題になっていることも理解ができるのではないでしょうか。
前回の子供用サプリメントの記事でも紹介したように、アメリカ政府が行ったある調査においてはアメリカ人が食べる一日の食事の中には約45％もの食品の形をとどめていないいわゆる加工食品で占められているという大変ショッキングな報告も存在していますし、日本国内においてもかなり近い状態になってきている懸念が後を絶ちません。
●子供に食生活の影響：
健康や病気を左右する40％から研究者によっては60％前後を占めるとも説かれる食生活の影響が一番大きく子供の健康を左右しており、先天性や遺伝は10％前後とも言われる以上、大人以上に
子供には何を食べるてどのような栄養素を摂取するかが健康や病気のカギとなることは明らかですし、これから子供を授かる家庭についても、妊娠をする以前からの母親の食生活の影響を生まれてくる子供が継ぐことも多くの研究から明らかになっていることを考慮すると健康的な食事の大切さが見えてきますし、改善することで子供たちの今後の健康にも影響を与えることがわかります。
次回は実際に行われてきた国内外の調査や研究を元に具体的な食事の中身と子供の健康に影響を与えているのかを含めて迫ってみたいと思います。
2014/08/27の更新記事です。
