ビタミンD栄養素と日光と骨の健康
ビタミンD食品や栄養素と日光や骨の健康:
欧米では以前から日光や太陽のビタミンで知られるビタミンDの食品入り栄養素やサプリメントについて一定の人気の高さが続いています。
数年前頃からはビタミンDについての調査や研究報告を目にする機会も増えているように思います。
以前は単に冬のインフルエンザやウィルスの季節に太陽や日光を浴びる機会が少ない地域が中心で人気のあったビタミンDですが、日光や太陽、骨やカルシウム等との関わりだけではなく、免疫力をはじめとする更に大きな役割を担っていることがわかってきたこと、食品に含まれる栄養素を見つけることが大変なことなどの理由からも見直されるようになった印象を受ける栄養素です。
そのためか、冬の日光や太陽の日差しが少ない時期だけに露出されていた頃とは違い、一年を通してビタミンDの栄養素と健康について、一般的な新聞記事媒体においてもビタミンDについての記事を見かけることが増えたように思います。
とりわけ、2014年の4月にアメリカで開催されたがん研究協会(AACR)においての報告で、いくつかのカギになる報告があった中でも多くの話題をさらったのが、コーヒーを飲むことである種のがんのリスクを下げると報告されたことと、ビタミンDが健康に有益と説かれたことでした。
ビタミンDについて:
ビタミンDは日本でとりわけ人気があるという栄養素ではないように思いますが、ビタミン類の中でもビタミンDは日光や太陽のビタミンの愛称を持ちます。
その名が示しているとおり、太陽による日光浴を一日20分程度浴びることで、ビタミンDは体内で生成されるといわれる栄養素です。
残念ながら屋内での間接的な日差しでは合成されないようです。
留意しておきたいのは、現在でも多くの参考書や医療や健康の各種誌面においても、必要性よりもどちらかというと過剰摂取による心配をはじめとするマイナス部分が目立つ成分といえるかもしれません。
1918年にコッドリバーオイル(肝油)と共に、ビタミンDが骨の発育や足首や手首の健康に推奨されていたと報告されています。
1920年頃にビタミンDは名付けられたのだそうですが、脂溶性(油で溶ける)ビタミンで、熱や空気、加熱にも強い栄養素で、2大ミネラル一つで知られるカルシウムと関わりが大きく、体内のカルシウム濃度の維持にも重要な役割をすることで知られています。
ビタミンDは、体内で腸管から吸収され、肝臓に運ばれ、変換された後に血流にのって腎臓へと移動していくといわれています。
ビタミンDは有益的なのか?:
アメリカのメディアの中には、2014年4月の同報告以降、テレビ番組をはじめとするメディアでビタミンDの特集が組まれ、著名な研究者や、大学や研究機関の関係者へのインタビューが度々露出されうりょうになりました。
アメリカの巨大メディア企業の1つで知られるCBSニュースの番組内でも、「ビタミンDは長寿のカギになるか?」といったタイトルで思い切った言葉が使用されていました。
その中では、血中のビタミンD濃度が高い場合においては最近の多くの研究データである種のがんや心臓疾患をはじめとする早死から身を守ってくれ、逆にビタミンD濃度が低い場合に早死の可能性について言及されました。
同時に良いことばかりではなく、まだ十分な数の検証もされておらず、特に報告の中には、そもそも使用された研究データにあるビタミンDの濃度が低い人の中には、他のビタミン濃度も低い可能性がある人も含まれていたり、不健康な食事による栄養疾患の人々の数も多いの事などの指摘も存在しており、単体の栄養素のビタミンDを長年にわたって多量に摂取し続けることの健康への影響がどうなのかなども含め、まだ研究を広めていく必要性を訴える専門家も存在しています。
食事や生活習慣とビタミンD:
冒頭にもありますように、ビタミンDは日光浴を一日20分程度浴びることで、最低限は体内で生成されるありがたい栄養素です。
20分程度を外で太陽の光に浴びることは、生活習慣の違いなどの理由からも人によっては簡単ではないようにも思えますが、日光浴の浴び貯めや窓越しでは効果がないと言われることもあって、少しでも体内にビタミンDを摂り入れるためには、光合成が行われやすいとされる手のひらを太陽の光に向けて充てることで吸収されやすいとも言われています。
ビタミンDの成分は、カルシウムとの大切な関係を持つ栄養素であることがわかるだけに、欠乏することで、一歳未満の乳児では全身の痙攣や頭蓋骨軟化によるビタミンD欠乏性低カルシウム血症や、O脚や低身長、くる病が実際に国内外で増えているとも報告され、その原因の中にはビタミンD不足と関係している旨の指摘もあり、自律神経やホルモン、体内時計などのためにも適度な日光浴を心掛けたいものです。
ビタミンDと食事:
ビタミンDを含む食事は乾燥キクラゲやアンコウ、しらす、イクラ、ウナギのかば焼きやサンマをはじめとする魚類の食品に比較的多くが含まれることが報告されています。
魚以外では、干しシイタケやマイタケにも少量含まれるのだそうです。
近年は子供は以前と比較すると特にそうかもしれませんが、外で日光を浴びる機会が減っているように思えますが、ビタミンD不足の解消を考えても、適度な日光浴や、魚類やしいたけ類を含む和食をいただくことは、健康を維持しやすい環境づくりにおいても近道のように思います。
*この記事は2014/07/08付記事の更新版です。
参考にした文献:
ニューヨークタイムズ 2014.5.4付
CBSニュース Is VitaminD the key to longer life?
その他:東京新聞 子供と育つ ビタミンD不足に注意、ビタミンDの効用 末松俊彦先生