多発性硬化症は乳製品などの食べ物や食事の関係や原因?
関節の痛みをはじめとする体内での炎症が主な症状の多発性硬化症は乳製品などの食べ物や食事にも原因や関連性があると言えるのでしょうか。
MSでしられる多発性硬化症の報告と食事からヒントを考えます。
乳成分と多発性硬化症(MS):
多発性硬化症の英語Multiple sclerosisを略してMSと呼ばれる、近年世界的に多くの人が患う関節炎をはじめとする痛みも伴う症状です。
20年程前には、近年ほど頻繁にお目にかかる症状では無かったのではないでしょうか。
試しに以前と今を比較するのに、ありがちな乳成分と多発性硬化症の組み合わせの単語で検索をしてみました。
日本語のグーグル検索では、ちなみに本日時点で97,400件が該当しました。
医療の分野で信頼度が高いとされる米国国立医学図書館が運営するPubMedという情報サイトで今昔を比較してみました。
同じ乳成分と多発性硬化症の検索では、1994年にはわずか4件、2009年でも32件だったのが、2018年には204件もの文献が登録されています。
それほど、多くの関心を集めているということになります。
多発性硬化症(MS)の症状例:
多発性硬化症(MS)は、炎症性で、神経変性成分ともなった慢性的な中枢神経系疾患で知られます。
はっきりとした原因や関連性は完全には解明されておらず、複雑な病態生理として報告されています。
報告される症状例の中には、腸内菌バランスの崩れ、慢性疲労、脱力感、不安症やうつ病、記憶力や集中力などの低下、視力低下などの症状まで幅広いのも特徴です。
また、多発性硬化症と診断される人の約10%の人においては、最初から進行性の神経学的低下が診られるのだそうです。
多発性硬化症(MS)の原因例:
では、20年前にはあまり聞かなかった多発性硬化症が、なぜ増えていると考えられているのでしょう。
遺伝は別として、他には環境の影響も挙げられています。
原因の中には、日光浴が減り、体内でのビタミンDが生成されにくくなり、ウィルスなどに感染しやすくなったなどの報告例があります。
また、長年の疫学研究では、食べ物や食事も大きな原因のになっている可能性を示しています。
食べ物や食事の報告例から原因を減らす:
食べ物や食事に関連する研究では、果物や野菜の食べ物や食事が増えるに連れて、障害のレベルが低くなるとの報告があります。
ある報告では、ジャガイモとマメ科植物を除いた野菜の摂取量が1カップ相当増えると、再発リスクが約50%も減少したという報告があるようです。
また、脂肪などの脂質は炎症や痛みと関係が大きいことも多くの報告でわかっています。
そのため、西洋的な食事で加工食品になりやすい高脂肪食では炎症の値が増えやすいともいわれます。
面白いのは、加工度が高い加工食品に多い長鎖脂肪酸(LCFA)では、症状が悪くなりやすく、同じ脂肪でも魚に含まれるEPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸や植物由来のアルファリノレン酸(ALA)、食物繊維などの野菜では炎症が減りやすいということです。
乳製品と多発性硬化症:
では、良く登場する乳製品と多発性硬化症の原因性や関係性はどうなのでしょう?
2011の研究報告では、若い年齢時に大量に全乳を含む飲み物や食べ物、食事が増える女性の場合、多発性硬化症の症状が出るリスクが増えるという報告もあります。
日本ではあまり考えにくいことですが、一日に3回以上食べ物や食事で乳製品の全乳を摂取すると、1日1回未満の女性と比較すると、多発性硬化症の発症リスクが47%高くなるとの内容でした。
近年日本でもMSで知られる多発性硬化症も増加傾向にあるようです。
同時に食事やスイーツでも乳成分を多く含む食べ物や食事も増えているように思いますので、気になる場合は留意しながら楽しむことがおすすめと言えそうです。
参考にした資料:
PubMed 6132382
20945071
Adrenal(副腎)Summit 2017年11月9日
トム・オブライアン医学博士へのインタビュー