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ビタミンD不足と動脈硬化と健康

2015年04月17日

光

 

日本ではさほど目立ったビタミンの部類に入ってはいないものの、欧米では以前から常に注目されているビタミンの1つがビタミンDです。

 

ビタミンDは太陽の光を20分程度以上の時間を浴びることで、体内で合成されることが報告されています。

また、骨や骨密度などと大きく関わるカルシウムの栄養素の吸収を高めることでも知られます。

カルシウムの吸収が高まることは、骨や歯を強くすることにもつながることからも、ビタミンDは重要な働きを担っているといえそうです。

 

残念なことの1つは、ビタミンDの栄養素は体内で蓄積できないとされています。

その場合には毎日の継続が必要とされますが、太陽に浴びるだけでは充分に体内合成されない可能性もありそうです。

普段の食事でもなかなかビタミンDを含む食材は少ないことからも、血液検査などで数値が低く診断されることが増えているようです。

 

近年の研究では、想像していた以上にビタミンDガ体内で幅広く働き、大切な役割を担っていることがわかってきました。

 

今年報告された研究では子供の頃のビタミンDが、大人になってからその影響が出てくる可能性を示すデータですので、早速ご紹介したいと思います。

 

低ビタミンDと心臓血管と動脈硬化:

今までにもビタミンD値が低い場合にストロークや心臓発作のリスクが高まることが示されてきました。

臨床内分泌学と代謝ジャーナルによると、幼少期の低ビタミンD値が動脈に有害な影響を与えると伝えています。

 

つまり、子供の頃にビタミンDの値が低かった場合に、25年程度経過した成人になってから動脈硬化の中でも、一番多いといわれるアテローム性動脈硬化症と関連していたという報告がなされました。

そのこともニュースになり、心臓血管の健康のためにも、ビタミンDの重要性が脚光を浴びています。

 

ビタミンDの不足や欠乏は世界中の子供たちの間で関連も高いようです。

今回の研究は、子供の時期の低いビタミンD値が成人になってからの頸動脈増加と関連性が示されたようです。

動脈硬化のアテローム性動脈硬化症のマーカー値が心臓血管のリスクの原因と関係して、以後に何らかの発生が予期できるのだそうです。

 

臨床内分泌学ジャーナルの筆者の一人でフィンランド大学医学部のマークス・ジュオナラ医学博士は、今回の研究結果は子供の頃の低いビタミンD値と成人における動脈硬化の発生増加の関係性を示したと伝えています。

 

ただし、動脈硬化や心臓血管はビタミンDだけが関係しているものではなく、血清液、血圧、喫煙、食生活、運動、肥満や社会経済状況などをはじめとする要因ともつながりも考えられます。

 

今回の調査は、3〜18歳の時期をもとにフィンランドで2148名の心臓血管を分析し、それらの被験者が30〜45歳になってから、改めて検査をして関連性を調査したものです。

 

検査方法は、子供の時期の低いビタミンD値が蓄積された血清を超音波技術をもちいて心臓の状態を把握したと記載がなされていました。

被験者の平均が成人期に動脈硬化を発生した確率が12.7%だったのに対して、子供の時期に最も低いビタミンD値だった被験者は21.9%と高い確率を示したそうです。

比較した場合でも、ビタミンD値が低くなる程に動脈硬化の高いリスクを示したことをまとめており、研究者は低いビタミンDがどの程度動脈硬化と関わりを果たすのかについて更なる研究が必要としながらも、十分なビタミンDを含む食事を子供に与えることの大切さを明らかにしたことがまとめられています。

 

食事に含まれるビタミンD:

一般的に言われる内容として、植物性食品に多いのがビタミンD2で、動物性食品に含まれるのがビタミンD3です。

植物性ではビタミンDを含む食べ物の例は、下記のとおりです。

乾燥キクラゲ、マイタケ、エリンギ、ぶなしめじ、しいたけなどのキノコ類。

 

動物性でビタミンDを含む食べ物の例は下記のとおりです。

サケ、イクラ、サンマ、うなぎの蒲焼き、イワシをはじめとする魚介類など。

 

繰り返しになりますが、食べ物や食事以外に留意したいのは、太陽の光に少なくとも20分程度はあたることで、体内での合成が進み、カルシウムの吸収を助けることです。

ちなみに、ガラス越しでは、さほど効果が期待できないともいわれますので、毎日の日光浴は昔の生活から考えても、大切といえそうです。

 

参考にした情報:

Childhood 25-OH VitaminD Levels and Caroid Intima-media Thickness in Adulthood. The Cardiovascular Risk in Young Finns Study.

The University of Turku Finland, Murdoch Childrens Research Institute and Royal Children’s Hospital in Melbourne, Australia.

The University of Helsinki, and Tampere. the national Institute for Health and Welfare, the university of Olulu, Kuopio university Hospital in Finland.

Public Release: Feb. 10, 2015.

 

 

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