認知症予防にオメガ酸がおすすめとの報告について
認知症の予防に伝統的な和食の食材に含まれるオメガ酸がおすすめされる報告が多数あります。
認知症に限らずオメガ酸の中でもオメガ3脂肪酸は健康に良い脂質で知られています。
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日本の高齢社会と認知症予防の大切さ:
認知症は日本でも予備軍も入れると65歳以上の4人に1人とも報告されています。
また、日本だけでも約5年後には、認知症になる人の数が700万人を超えることを厚生労働省は見積もっています。
それらの割合は特に経済大国では共通してきているようですが、とりわけアメリカでは、更に上を行く数字も報告されることが少なくありません。
そのようなことからも、日本だけにとどまらず、海外でも認知症の予防や改善の研究や報告にはチカラが入っているように思います。
認知症の改善としての薬について:
認知症を意識するようになると、まずは予防、そしてもしも認知症になった場合の治療方法を考えるのは、ごく自然の流れかもしれません。
その場合、認知症の改善という意味においては、薬はどうも期待できそうにありません。
近年の新聞やニュースをはじめとするメディアでも出ていますが、製薬会社は莫大な費用をかけて、認知症の薬を開発すべく動いてきたものの、多くの企業が良い結果に恵まれずに開発を中止してきました。
現在も認知症の薬で改善すると報告されているものは現段階においては無いのだそうです。
そうなると、まずは日ごろの食べ物や食事、生活習慣に頼ることになります。
様々な報告がありますが、最近拝読した研究についての海外で発表されたいくつかの報告では、アルツハイマー型認知症とオメガ3脂肪酸の働きに期待が持てそうな記事が多くありました。
いくつかを下記にご紹介します。
認知症に報告されるオメガ酸 1:
一般的に認知症と診断されてから、使用されている3つの栄養素の1つにオメガ3脂肪酸が含まれています。
この報告はアメリカで行われた調査を基に導き出された内容ですが、オメガ3脂肪酸でもDHAやEPAのフィッシュオイルでいわゆる魚に含まれるオメガ酸の意味でした。
私たちからすれば、魚に含まれる脂肪酸について抵抗は無いかと思いますが、アメリカでも認知症と魚に含まれるオメガ酸は深い、あるいは大きなつながりを感じているということかと思います。
認知症に報告されるオメガ酸 2:
もう1つ他の報告もアメリカで行われた調査を基に作成報告された内容です。
オメガ3脂肪酸の摂取が少ない場合においては、認知機能が下がったり、認知症のリスクが高くなるという報告です。
研究を対象としたのは、健康的な人たちと、実際に認知症と診断された人たちの体内の数値と食べ物や食事でのオメガ3脂肪酸の摂取量について病院の中で調査と評価されたものです。
健康的な人の体内にはオメガ3脂肪酸がより多く含まれていて、認知症と診断された人たちの体内の方がオメガ酸の量が少なかったという内容でした。
認知症に報告されるオメガ酸 3:
最後に日本のお隣の中国で行われた報告からご紹介します。
アルツハイマー型認知症を含む認知障害を世界的にまとめられた結果、1週間の間に魚を食べる頻度が高くなるに連れて、認知症になるリスクが低くなるという内容でした。
実際に食べた食べ物や食事の情報を基に作成された研究報告です。
和食に豊富に含まれるオメガ酸:
上記にご紹介した報告例は、いずれも私たちにとっては、とても喜ばしい報告といえます。
というのも、オメガ3脂肪酸は私たち日本人が伝統的に食べてきている和食に多く含まれているからです。
オメガ3脂肪酸を含む食べ物や食事の例として、魚、わかめ、ヒジキ、昆布、その他の海藻類や魚介類、エゴマ油などが代表的に挙げられます。
注意しておきたいことという意味では、オメガ3脂肪酸が多いと言われるマグロのように大きな魚になればなるほど、水銀などの重金属が多く含まれているということでしょうか。
その意味では、注意したい場合は、青魚を選択することがおすすめといえます。
キーワード: 認知症の予防 食べ物 食事 オメガ3脂肪酸 オメガ酸
情報源:
Consult Pharm. 2017年7月 7;32(7):412~414ページ。doi:10.4140
pubmed/28701253
Nutr Neurosci. 2012年11月;15(6):271~277ページ。 doi:10.1179
pubmed/22824373
Am. Journal of Clinical Nutr. 2016年 第103号:330~340ページ