メタボから歯周病までオメガ3がおすすめされる理由
メタボで知られるメタボリックシンドロームと歯周病の共通点は、昨今日本でも増えていることでも知られています。
オメガ3脂肪酸はメタボや歯周病におすすめされることが少なくないようですが、その理由が報告されています。
メタボリックシンドロームの基準:
日本では、メタボという単語で知られているメタボリックシンドロームですが、そう呼ばれる基準の1つはウエストのサイズによって定められています。
日本内科学会が発表する日本動脈硬化学会など8学会による合同基準の報告によると、わたしたちのウエストサイズをメタボの基準にすることは、内臓に付いた脂肪がどの程度蓄積されているのかを知る目安になるとのことです。
男性の場合はウエストサイズが85センチ以上がお腹の肥満度を測る診断基準値です。
女性の場合においては、同じく90センチ以上となっています。
メタボリックシンドロームの診断基準は、お腹周り以外にも中性脂肪のコレステロール値、血圧、血糖値もそれぞれ、下記のようになっています。
・中性脂肪値(下記のいずれか、あるいは両方):
HDLコレステロール値 中性脂肪値 150mg/dl以上、
LDLコレステロール値 40mg/dl未満
・血圧(下記のいずれか、あるいは両方):
収縮期の血圧(最高血圧)が130mmHg以上、
拡張期の血圧(最低血圧)が 85mmHg以上
・血糖値:
空腹時の血糖値が110mg/dl以上
ちなみに上記の基準については、日本国内外でも賛否両論があります。
特にウエストサイズの基準は、身長が低い人と高い人によってサイズが違うのが一般的という理論なども挙がっているようです。
歯周病について:
歯周病とは、歯垢(あるいはプラークとも呼ばれる)の中の細菌によって、歯肉に炎症を引き起こして、やがて歯を支えている骨を溶かしていく病気ということが日本臨床歯周病学会では定義されています。
歯周病の原因はさまざま報告されているものの、歯磨きの際のブラッシングがきちんとできていない場合、糖類が多すぎる場合、歯ぎしり、不規則な食習慣や生活習慣、ストレス過多などが歯周病の他の原因として考えられているようです。
DHAやEPAのオメガ3脂肪酸がおすすめされる理由:
それでは、メタボリックシンドロームや歯周病をはじめとする炎症と考えられる症状などに、なぜオメガ3脂肪酸がおすすめされることにつながるのでしょうか?
実際にDHAで知られているドコサヘキサエン酸は、歯周病や腸の炎症、あるいはメタボリックシンドロームなどでも治療の現場で海外を中心に使用されています。
もちろん、どのDHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸が同じというわけではありません。
オメガ3脂肪酸を摂取することは、どうやら腸内に存在している微生物を健康にとって優位な状況に変化させよう働きが確認されていることが、DHAやEPAなどフィッシュオイルに含まれるオメガ3脂肪酸がメタボや歯周病にもおすすめされる要因となっていると報告されています。
それに加えて、今までもオメガ脂肪酸やオメガ6多価不飽和脂肪酸(PUFA)については、抗炎症作用が認められてきた背景があり、動脈硬化の予防をはじめとする炎症を中心とした症状の予防の役割についても広範囲にわたって広く研究されてきたこともおすすめされている理由に含まれるようです。
中でも、DHAは歯周病や炎症性の腸疾患などについて積極的な炎症作用の働きが発見され、そこからメタボリックシンドロームや肥満への波及に結びつける探求、報告されてきたことが、バクテリアや感染としても腸内環境と関連する歯周病の予防の可能性にもおすすめされているとの報告でした。
DHAやEPAのようなフィッシュオイルに関わらず、オメガ3脂肪酸もまだまだ研究や報告が必要な点も多いかと思いますが、少なくとも魚の油はヒトの体温よりも低く、代謝を促したり、不純物も排出されやすく、脂肪を落としやすいとされていることからも、今後も注目の栄養素といえそうです。
参考にした情報:
日本内科学会:日本動脈硬化学会など8学会による合同基準
日本臨床歯周病学会:歯周病とは?
PMC(アメリカ国立医学図書館 国立衛生研究所)ID:3775255
Nutrients(栄養素)2013年8月号 5(8):3299-3310