コエンザイムQ10と運動や筋肉
加齢とコエンザイムQ10:
補酵素で身体のエネルギーや若さのバロメーターともいわれるコエンザイムQ10は年齢を重ねていくうちに体内で減ることで知られています。
20歳頃を境にして考えた場合に20歳を100とすると、30歳で2割程度減り、40歳では4割減、50歳では20歳と比較した場合のコエンザイムQ10の濃度は約半分にまで減っていることが報告されています。
同時に体内年齢を若く保ちたい人やスポーツをする人の中にコエンザイムQ10を補給する人が多いとされるのには、そのエネルギーだけでなく、身体の筋肉を若く保つことや身体が歪みにくくなることにもつながっているという報告もあります。
今回はコエンザイムQ10と歪み誘起によるミオバシー(筋肉痛や弱み、疲れ、けいれん等)について調査された研究報告をご紹介します。
平均年齢58歳の60人の歪み誘起の筋肉に関係するミオパシー患者をランダムに選出し、コエンザイムQ10を200mg、セレンを200mg、プラセボ(偽粒)に分かれて3ヶ月間毎日摂取した場合の変化を調査されました。
3ヶ月の後に、コエンザイムQ10を毎日200mg摂取し続けたグループの34名においては元の状態よりも下記のような変化が計測されました。
筋肉痛 52%軽減
弱み 60%軽減
けいれん 65%軽減
疲れ 82%軽減
補酵素であるコエンザイムQ10を摂取したグループ以外の被験者では、セレン(セレニウム)とプラセボの偽粒摂取共に元の状態大きな変化はみられなかったとのこと。
研究者たちはコエンザイムQ10が補酵素としての体内合成の役割が歪みと関係していることが考えられると伝えており、コエンザイムQ10が体内で欠乏していくことでさまざまな筋肉症状の原因となりうることと、歪み誘起の筋肉の疲れや痛みなどのミオパシーは体内でのコエンザイムQ10の欠乏が要因の一部とも言われることも関係していることを示したとまとめられています。
今回の調査報告を観たアメリカで良く知られるアランゲービー医学博士は、以前に行われたいくつかの調査でコエンザイムQ10のサプリメントがミオパシーを緩和する可能性についても言及されてきたものの、なぜ有効なのかについてはいくつかの研究でも明らかになっていないことと、効果的ではない人も存在するとしながらも、コエンザイムQ10は少々経済的な負担を強いられるものの安全であり、歪み誘起の副作用なく予防や治療にも推奨するに値すると述べています。
参照文献:
Febacko J et al. coenzymeQ10 and selenium in stain-associated myopathy treatment.
can J Phyiol Pharmacol. 2013;91:165-170
Alan R. Gaby M.D. Townsend letter May 2014:32
Karen A et al., Lipids. 24(7):579-84,1984