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ADHDの子供と携帯電話の電磁波や鉛

2015年03月31日

家族と自然

 

韓国で子供の健康環境研究を行うCHEERという団体が2422人の小学生の子供を対象にした調査をした結果、携帯電話の電磁波とADHDの子供に多いとされるハイパーアクティブ、げっ歯類(不揃いの歯)との互換性がある可能性を報告しています。

研究者らによると、とりわけ成長段階の子供だちにとって携帯電話を使用する際の電磁波が与える影響は大人以上に大きい可能性を示し、神経毒で知られる鉛が子供の注意力や認識役割を軽減、あるいは鈍らせるような働きが発生している可能性を指摘すると共に、子供の携帯電話の所持については親や保護者に注意の呼びかけをし、使用頻度や時間の制限をすることなどを推奨しています。

 

子供と携帯電話による通話

韓国の子供健康環境研究が行った調査では携帯電話と子供との関係についての調査を行った際、とりわけ子供による携帯電話を使用した通話の影響が大きいと判断しています。

被験者の子供たちの体内における血中の鉛の濃度を測定すると、その値がADHDと診断される子供たちに多い2.35mcg/dl以上でとりわけ携帯電話の電磁波と鉛の数値の影響が大きく通話でも文章を送る機能でも、ADHDを高めやすい状態になりやすいとし、血中の鉛の濃度値が2.35mcg/dl以下の場合では通話でもADHDを高めにくいことが判明したと報告されています。

 

また携帯電話を使用のインターネット接続をした状態でのゲームの利用においても子供のADHD症状と関係性についても調査の対象とされていました。

 

同研究者らによると体内の鉛は血中以外にも組織や骨にも溜まりやすく、とりわけ子供のADHDの原因としてゲームやインターネットが関係しているという可能性よりも、ADHDの結果としての行動の可能性であることも考えているようです。

 

2422人の子供を対象とした今回の調査では、携帯電話を使用した通話を止めたグループと、ゲームを止めたグループに分けての変化を調査し、2年後には携帯電話の通話をやめた子供たちのグループではADHDの症状が7.1%減り、携帯電話でインターネット接続をした状態でのゲームではADHDの症状が7.5%減少したとの報告をしていますが、この調査が必ずしも携帯電話がADHDの原因を証明するものではないとしながらも、子供においての携帯電話使用に制限を設定することはADHDの症状を減らすことにつながると報告しています。

 

現代の子供たちにとっての社会とのつながりは携帯電話やパソコンを使用したインターネット接続をした状態でのオンライン上であることも多く、インターネット接続と社会とのつながりは益々増えている状態と言えるのかもしれません。

そのために技術の発展や生活様態の変化で子供たちにとっても携帯電話の使用頻度は高まっていると言えます。

 

成長段階にある子供たちにとって脳も肉体も成長を遂げている状態で、電磁波や鉛の関係はまだまだ未知数の部分も多く、注意を呼びかけている調査報告の1つとして今回の報告は脚光を浴びています。

 

日本でもIT化を促進する明るいニュースが先行し、後に人体への影響が出てくる可能性があるニュースは影を潜めているように思いますが、子供たちが携帯電話を使用する場合は使用頻度の設定だけに関わらず、通話の場合は携帯電話を耳や肌に付けながら通話をするのではなく、例えば携帯電話と肌の間を3センチ以上離したり、イヤホンを使用しての通話にするなどの工夫も少なくともできます。

寝るときも直前まで明るい画面を観ていることで脳に残像があったり、脳を刺激して寝つきが悪くなったりすることも報告されていることからも就寝前における電子機器の使用の時間制限を設けたり、電源が入っているだけでも電磁波が発生している携帯電話を枕元に置かないようにしたり、移動中もポケットなど肌に触れるような場所に入れずにバッグに入れるようにするなど意識的に携帯電話の取り扱いに注意することでも差が出てくるのではないでしょうか。

 

Byun Y-H, Ha M. Kwon H-J et al. Mobile Phone use, blood lead levels, and attention deficit hyperactivity symptoms in children: a longitudinal study.

PLOS ONE. Mar, 2013:8(3);e59742-e59742

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