アレルギーと体内のビタミンD
2014年の研究によると季節性のアレルギー性結腸炎については、体内での低いビタミンDレベルと関連していることが報告されています。
欧米では近年、ビタミンDの働きが見直されている傾向にあり、脚光を浴びている分、研究報告を目にする機会も増えているように思います。
以前から冬の寒い時期には太陽のビタミンといわれるだけあって、ビタミンDのサプリメントは人気でしたが、近年は冬の季節に限らず、摂取する人が増えているのはビタミンDとがんをはじめとする免疫組織との関係、精神的な疾病やうつ病、そして今回の報告のようなアレルギーとの関連性が報告されるなどビタミンDが持つ大きな役割が報じられるにつれ、人気度も高まった結果、一年を通して定着するまでになったといえます。
日本同様にアレルギー疾患が多いアメリカでは、官民の組織以外にもNPO組織も多く存在しています。
アレルギーと喘息の財団の報告によると現在のアメリカでは5人に1人はアレルギーを患っており、その数は約5000万人とも報じられています。
アレルギーと喘息財団が2014年3月にまとめた研究が発表されていますので、下記にご紹介いたします。
アレルギーと低ビタミンDの報告:
研究グループは眼や他の全心疾患患者を対象とする季節性のアレルギー性結腸炎を患う49名と、彼らの年齢や性別が合致する44人のアレルギーなどの疾患を持たない健康なグループに分け、体内のビタミンDを代表するプラズマ25−ハイドロキシビタミンDと血清総免疫ブログリンE(IgE)を用いてアレルギー症状の重要な役割を担っている抗体レベルを電気化学発光技術をもちいて測定。
その結果、アレルギーをもたないグループより、季節のアレルギー性結腸炎を患うグループにおいて、よりプラズマ25-ハイドロキシビタミンDの値がとても低いと判断、また血清総免疫ブログリンE(IgE)においても季節のアレルギー性結腸炎群の方が有意に高かったと報告しています。
今回のアレルギーと喘息財団の研究報告の結論としては、季節性のアレルギー性結腸炎患者においては低プラズマビタミンD値と高い血清総免疫ブログリンE(IgE)値であったことを発見したと結論づけています。
ビタミンDは太陽のビタミンと言われるだけあって、一般的には一日20分程度、太陽の日光浴を外で行うことで体内で合成されるビタミンとして知られています。
残念なことに部屋の中で光を浴びても合成されないといわれていると共に、体内で蓄積できる類のものではないために日々日光浴が必要であることも報告されていますが、多くの人にとって経済的な負担をかけずにビタミンDは体内で合成されやすい栄養素として知られます。
参照文献:
Dadaci Z, et. al. Acta Opthamol. 2014 March 26 【Epub ahead of print】
www.DrMeletis.com
*上記文面の内容とは関係はありません。