認知症予防は食べ物で脂肪と炭水化物に差をつける?
日本でも認知症への関心度は高まっています。
一番は予防で認知症にならないように食べ物や生活習慣での心がけがおすすめです。
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アルツハイマー型認知症が多いアメリカでの報告:
アメリカでは日本以上にアルツハイマー型認知症と診断される人が増えています。
日本以上に医療費は一般的に随分と高くつくことでも知られますが、近年は認知症などの予防についての報告も増えています。
今回は多くの報告の中から、2人の専門家の報告から健康と予防のヒントを学びます。
一人目は、脳や自律神経などがご専門で、かつ自らの父親をアルツハイマー型認知症が原因で亡くしたことでも多くの注目を集めているデビッド・パールマター医学博士による報告。
もう一人は、アルツハイマー病などの神経変性疾患の世界的権威で、日本語版の著書も人気となったデール・ブレデセン医学博士が良く伝えられていることを、ここでは取り上げてご紹介してみたいと思います。
認知症薬で症状を改善できるか?:
今まで認知症の薬として多くが市場に出てきました。
それらの薬はアルツハイマー型認知症を改善させたり、完治させることができるのでしょうか?
残念ながら、少なくともここで紹介する二人の医学博士は共通して、難しいとの判断を下されました。
日本でも最近ニュースになりましたが、ある大手製薬会社は最近になって認知症薬の開発から退くという決断をしました。
ある意味で希望が断たれたとも言えそうな中で、デール・ブレデセン医学博士によって書かれたアルツハイマー型認知症の終焉を意味するThe End of Altzeimer’sをタイトルとする書籍がアメリカで爆発的な人気となりました。
認知症の予防に、まずは食べ物?:
同博士の著書には予防として食べ物やそれらに含まれる栄養素の話しも度々登場します。
またパールマター博士の著書やインタビューなどでも、認知症予防に食べ物や栄養素にとても多くが紹介されています。
とりわけ同博士は、いつも認知症の話題になると、腸内環境との関りについてや、炎症は脳ではなく腸からつくられていることをアピールしておられます。
同博士は腸内環境が乱れることで腸壁から漏れが生じることで、腸内から漏れるべきではない物質が腸壁から漏れて、血流を通して脳に行き着くと報告されています。
認知症に関係が大きい血糖値を左右する食べ物?:
腸内環境の乱れと共に注視されているのが、糖尿病の話題で度々登場する血糖値です。
今回ご紹介したお二人の専門家は、共に血糖値は認知症予防に大きく左右することを伝えておられます。
数千人に血糖値だけの調査を行ったある報告では、血糖値が急上昇することは、アルツハイマー型認知症のリスクを大きく高めるということを結論付けたことも話題になりました。
その理由は、世界的に定評がある医学誌のニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(2014年7月)に大きく掲載されたことからでもあります。
それだけ、認知症と血糖値の関連性は大きく、血糖値を左右する食べ物や食事が大切かということに結び付いたのです。
血糖値を左右する食べ物?:
では、血糖値を左右する食べ物の例とはどのようなものなのでしょうか?
血糖値を大きく上昇させる代表例に挙げられるのは、糖類と炭水化物類です。
糖類も炭水化物に結果的に含まれることになりますが、分けた方がわかりやすいと思い、そのように表現しました。
とりわけ、お腹が空いている時に、急にそれらを含む食べ物を口に入れることは、血糖値を急上昇させることからも、おすすめできるものではありません。
血糖値を急上昇させることは、その1~2時間後には、今度は急降下させることにもつながります。
そのような行為は、血管を気づく原因にもなり、そのような症状が続くことは、糖尿病だけではなく、認知症の原因にもつながることも報告されています。
血糖値を急上昇させにくいという目的では、食事の最初はコース料理のような野菜類、あるいは少なくとも炭水化物に分類されないたんぱく質や脂質がおすすめということになります。
認知症の予防におすすめされる?:
パールマター博士は認知症の予防にも脂質を大きくおすすめされています。
おすすめされる1つの理由は、今まで続いてきた歴史の99%以上の期間ではまず、穀物は食べてこられてこなかったということでもあります。
同博士の言い方を借りてお伝えすると、何万年も脂肪を食べ続けてきた時代を無視して、脂肪はカロリーが高いという理由で排除されてきた代わりに、おすすめされてきたここ数十年が炭水化物といった具合です。
その結果として、わかってきたのが、多くの慢性病で、糖尿病も認知症もそれらの1つとして紹介されていました。
おすすめされる脂質を含む食べ物?:
特にパールマター博士がおすすめする脂質には、下記のような食べ物があります。
・エクストラバージン・オリーブオイル、
・ココナッツ・オイル、
・自然界の魚に含まれるフィッシュオイル(ワイルド・フィッシュ)
・ナッツ類、
・種子類、
など。
脂質がおすすめされる理由として、私たちの脳の73%は脂質でできていることからも、何を食事で食べるかがダイエットや認知症などの予防でも大きな差を生むのだそうです。
おすすめの食事と食べ方?:
それらのことからも、同博士はおすすめの食事の食べ方例として、下記をおすすめしておられます。
・炭水化物類を減らしたり、少なくとも食事の最後にすることで血糖値の急上昇を予防する、
・糖類でもとりわけ人工甘味料を制限する、
・発酵食品を食事に取り入れる、
・食物繊維を食事の中で増やす、
・プロバイオティクスや乳酸菌のエサとなるプレバイオティクスを食事やサプリメントの栄養素で補う、
・不足することで認知症やリウマチなどの原因に関わるビタミンDを食事や日光浴などで増やす、
・魚などに含まれるオメガ3脂肪酸(DHAやEPAなど)を食べ物や食事、サプリメントなどで補う機会を増やす、
・色とりどりの野菜を食べるようにする、
・お水をはじめとする水分を十分に摂取する、
・お腹周りのぜい肉が増えることは認知症のリスクに直結することからも留意する、
など
日本についても周知のように、人気が高く経済的に安くつく食べ物の多くは、炭水化物類や糖類を多く含むスイーツ類です。
確かに美味しいとも言えますが、食べる量や順番なども含めて、それらを食べる際には留意しながら行うことがおすすめといえそうです。
参考にした情報:
The End of Althheimer’s(英文書籍)、
アルツハイマー病 真実と終焉(日本語版書籍)デール・ブレデセン医学博士
アウェイクニング・フロム・アルツハイマーズ(アメリカ開催イベント)
デビッド・パールマター医学博士へのインタビュー
2016年10月3日
情報ページ:ビタミンDとは?