慢性的な便秘予防のために体調の見分け方
慢性的な便秘を患う人の数は多く、そのことが原因で体調に不調を感じての生活や便秘薬を服用することが日常になる場合もあるようです。
便秘予防のための体調の見分け方をご紹介します。
腸内菌と慢性便秘についての専門的な報告によると、年齢を問わず、人口の約20%の人において便秘であるが故に生活の質の低下を余儀なくされているとのことです。
便秘になりそうな時には体調に変化が出ることが少なくなく、身体がサインを発することで私たちに知らせてくれることが少なくありません。
誰もが経験をしたことがある便秘の状態の例として、腹痛や下腹が出ている場合などに便秘になったりしている経験をお持ちではないでしょうか。
その他にも頭痛、めまい、肌荒れ、食欲不振、口臭が出るなどの症状が出ている場合においても便秘のサインとして報告されています。
慢性的な便秘になると、それらの症状が1つだけにとどまらず、複数の症状が出ることも考えられることからも、ある程度は体調の変化で見分けができるのかもしれません。
予防として考えた場合に、慢性的な便秘の症状を知るだけではなく、便秘になっている原因として考えられていることを知っておくことで対応ができることからも予防につながる可能性があります。
慢性的な便秘症状の場合に可能性があると考えられている原因が報告されていますので、下記にご紹介いたします。
・睡眠不足:
臨床睡眠の医療ジャーナルに掲載されている報告によると、睡眠不足であることは慢性的な便秘と因果関係にあるとのことです。
ある報告では日本において便秘の人の数が多いのは世界でも有数の慢性的な睡眠不足が原因になっているという説もあるようです。
数年前に発表された報告では、日本人の平均睡眠時間は6時間台とのことでしたが、欧米諸国では7時間台の国が多く、それらの国の多くの専門家も一日7~8時間の睡眠をおすすめしているようです。
・ストレス:
大きなストレスがある場合に慢性的な便秘と関連している可能性があるようです。
ストレスは誰にもあるものだと思いますが、そのレベルが大きすぎる場合には腸内に存在する菌の質を悪化させる原因にもつながるということになります。
・食事での食物繊維量が不十分:
食事で食物繊維の摂取量が少ない場合において、慢性的な便秘につながるとの指摘です。
体内微生物の発酵工程においては食物繊維がとても大切であることが知られています。
・水分不足:
日々の生活の中で十分な水分を摂取していない場合に、慢性的な便秘につながる可能性がありそうです。
日本での専門家のお話しでは毎日の水分摂取量(食事に含まれる水分量も含む)が1.5リットルを下回った生活を続けることは認知症への発展にもつながると指摘されていました。
それらのことからも、便秘予防だけではなく、認知症予防においてもある程度の水分摂取が必要といえるのかもしれません。
・食物過敏:
アレルギーにも関係する食物過敏や一定の食べ物の消化がしにくい食物不耐性、あるいは一定の食べ物を食べた後にアレルギー反応が出る場合には便秘の原因にもなっている可能性があるようです。
食物過敏の原因になっていると考えられている食べ物には、小麦粉などに含まれるグルテン、乳製品、ピーナッツ、人によっては大豆にも反応していることも報告されています。
・腸内環境異常:
腸内の嫌気菌や悪玉菌と呼ばれる菌が優位になっている場合や、有毒物や毒素などが多い場合に腸内環境が乱れることにもつながります。
それらの原因で腸内環境が思わしくない場合においても慢性的な便秘につながっている可能性があるということです。
・薬の過剰と継続摂取:
薬を継続的に過剰摂取していることが原因で、慢性的な便秘につながっていることも考えられるとのことです。
薬を沢山摂取する場合には、副作用として考えらえることを確認しておくことは慢性的な便秘の予防につながりそうです。
・腸内の慢性的な症状:
腸内で炎症が発生している場合や、消化ができずに膨らんでいる状態、腸管が緩んで腸内のものが血液中に流れるいわゆる腸管漏れでも知られるリーキーガット症候群なども慢性的な便秘の原因につながっていることが報告されているようです。
上記はあくまでも一般的に報告されている体調の見分け方です。
気になる場合には、専門家に相談されることをおすすめします。
参考にした情報:
Intestinal microbiota, and chronic(慢性的) conspipation(便秘)
Springerplus. 2016;5(1):1130.
Journal of Clinical Sleep Med.
2007 Aug;3(5):519-528
デビッド・ドッカーズ博士のブログ
12 ways to overcome constipation