歯周病や虫歯の口内予防におすすめと腸内マイクロバイオームとの関係
歯周病や虫歯の予防は口内だけをきれいにすること以上に、腸内環境や微生物の集まりのマイクロバイオームを整えることが効果的でおすすめとの報告があります。
歯周病や虫歯になりにくくするための予防と、口内と腸内の意外な関係とはどのようなものでしょうか。
報告されている文献から口内の健康についてのヒントを探りました。
口内と腸内は深い関係?:
歯周病や虫歯、あるいは口臭などを予防したいがために、ついわたしたちは歯をきれいに磨くことに集中しがちです。
食べた後にすぐ歯を磨いたり、歯磨き粉をたっぷり使って念入りに歯を磨いたり、きれいな色をして臭いのある液体マウスウォッシュを使ったりしていることが少なくありません。
除菌や殺菌をし過ぎることや、歯を白くするホワイトニングで健康的に見せることなどに対して、肯定的ととらえずに、否定的な専門家も少なくありません。
それは口内環境と腸内環境は似通っていて、口内は腸内の鏡とも表現されることと深い関係にあることを示しているようです。
私たちの身体を覆って守ってくれている菌や微生物の集まりであるマイクロバイオームを取り除き過ぎることは、口内予防に逆効果になることも少なくないとも報告されています。
口内の健康とは逆方向?:
一般的な歯磨き粉に含まれるトリコサンという成分や、液体マウスウォッシュに含まれるアルコール成分で除菌や殺菌をし過ぎるたり、ホワイトニングの際に使用される薬剤で口内に酸化ストレスを発生させることなどは、好ましくない菌を除去してくれると同時に良い菌も殺してしまうことにつながるとの専門家も存在しています。
また、それらのことからも、除菌や殺菌にチカラを入れるよりも、むしろリバランス、つまりはバランスを整えることに重点を置くことが歯周病や虫歯予防につながるとの報告も一定数において存在しているようです。
その生活習慣と食習慣が歯周病や虫歯を加速させる?:
また報告の中には、近年独特の生活習慣や食習慣が歯周病や虫歯を加速させる原因にもなっているとの指摘も存在しています。
食生活では特に人工的につくられる成分を多く含む加工食品には、歯や腸内にくっついて離れにくいことがマイクロバイオームを傷つけたり、炎症を引き起こす原因につながっていると指摘されています。
一見無関係のように思われがちですが、近年の生活習慣にしっかり馴染んでいるスマートフォンの使い過ぎは顔に近い程、口内の健康にも酸化ストレスなどによって影響を与えているとの報告もあります。
加工食品を減らしたり、スマートフォンの使用方法を見直すなど、小さな食習慣や生活習慣の変更の意識も必要とされるようです。
口内健康におすすめの生活習慣や食生活:
歯周病や虫歯の予防におすすめされる生活習慣や食生活の中には下記のようなことが含まれています。
・スマートフォンは顔にくっつけたり、近づけすぎたりしないこと、寝る時は寝室とは別の部屋に置くことがおすすめ。
・寝不足やストレス過多の状態を長く続けないように心がける。
・日中に太陽の光に浴びることで、体内でビタミンDを取り入れる。
・散歩を楽しんだりして身体を動かす。
・歯磨き粉やマウスウォッシュだけに頼らず、代替え品を探して楽しむ(下記にそれらの例が報告されています)。
・乳酸菌を含む発酵食品を食事に取り入れるように心がける。
・野菜や良質な脂質を食べる。
・午前中に毎日排便があるような生活を心がける。
・かかりつけの歯科医にかかる。
・ビタミンC、プレバイオティクスとプロバイオティクス、ビタミンE、MSM、セレン、コエンザイム(補酵素)、イヌリンなどの栄養素を摂取するように心がける。
など
口内の健康維持に歯磨き粉等の代替品におすすめ:
健康維持成分を必要に応じて歯磨き粉の代替品としておすすめされている一例として下記のような成分があります。
・ヒマラヤ塩などの自然な塩、
・ココナッツオイル、
・乳酸菌
・エッセンスオイルを薄める
・ベーキングソーダ(重曹)
・クレイ(粘土)
・イチゴピューレ(ほかの成分を含まない純粋なイチゴ由来成分)
など
気になる場合は、上記に列記されたことがらを試してみては如何でしょう?
また、よくわからない場合には、昔と今の生活を比較してみて、先人たちが日常的な生活にどのようなことを大切にしてきたかを想像してみるのも、良いヒントになるように思います。
参考にした情報:
マイクロバイオーム・サミット
ゲーリー・グラトーラ医学博士(歯科医)へのインタビュー
2016年3月3日
2022年6月10日更新
情報ページ:ビタミンDとは?