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DHA等のオメガ3と子供の言動

2014年11月21日

家族と自然

 

「DHAやEPAのオメガ3が子供の行動を改善する」との研究結果によって結論づけられています。

子供を対象に研究を重ねて報告し続けている専門誌Child Psychol Psychiatry(2014年8月22日)の発表によると8歳から16歳の子供をランダムに選定対象にしたダブルブラインド(DHAやEPA入と偽)を用いた調査の結果、DHAやEPAを含んだ方の子供の言動を含む行動自体が改善されたと結果が導き出された伝えています。

 

調査内容は200人の子供たちに6ヶ月間にわたりフルーツジュースを飲んでもらい、その後の6ヶ月を追うという調査です。

200人の子供のうち、100人はDHAを400mg、EPAを200mg、オメガ3のαリノレン酸を400mg含むフルーツジュースを飲み、もう1つの子供のグループはDHAやEPAのオメガ3等を含まないフルーツジュースを飲んでもらうというもの。

残り6ヶ月間は行動や神経の専門家が作成する資料を基に対象の子供たちの親が態度や言動、精神的な変化などに採点を行ったという調査でした。

 

子供を対象とした調査が増える背景

近年アメリカでは特に子供たちを対象にした調査報告が増えているように思います。

その背景には近年子供たちがADHDや自己免疫疾患をはじめとする行動や精神的な部分と関連する疾患が増えており、ここ数年だけでもその数が増え続けていることも背景にあるように思います。

以前にアメリカ政府が発表した子供のADHDの統計をお伝えした経緯がありますが、直近数年の間だけでもその数が増えており、食べ物との関連性を調査する統計が目立っています。

 

妊婦や子供DHAEPAをはじめとするオメガ3脂肪酸

アメリカでは以前から妊娠を予定しているカップルや妊婦、子供に授乳中の女性に魚を食べる量に制限を設ける病院が多く存在しています。

それは魚に含む水銀や鉛等の重金属や環境汚染物質が妊婦や子供に与える影響を考えてのことからです。

同時に魚には身体にとって良い油であるDHAやEPAのオメガ3脂肪酸を豊富に含んでいるのも事実です。

特に現代の食事は以前からもお伝えしているとおり、日本においても同様ですが、身体に良いオメガ3の摂取量やバランスは少なく、身体に必要なもののバランスが崩れているオメガ6の摂取やバランスが多すぎることで大人にも子供にも健康に影響が出ていることが知られています。

 

近年の食事とオメガ3

オメガ6とオメガ3のバランスは1〜4:1程度のバランスが理想と言われるものの、わたしたちの多くはそのバランスが10:1あるいは10以上の人も多く、懸念されているところです。

その背景には昔から食べてきた食べ物に代わり、便利で早くおいしく経済的に安く食べることができるようになったことです。

日本でも昔から続いてきた和食を食べる機会は減り、すぐに食べることができる加工食品や人工添加された油を使用する食品は手に届きやすいためです。

実際に日本の政府機関が調査報告する資料にも野菜や果物の1人当たりの年間購入量は20年程度前頃から減少に甘んじています。

魚についても10年前後前から減ってきています。

小さい臓器を持つ子供への影響は大人よりも大きいことがわかります。

 

そのことを考えてもDHAやEPAのオメガ3に限らず、総合的に根本的に食のありかたをもう一度見つめ直す時期であることは間違いありませんが、水銀や鉛などの重金属や環境汚染物質が心配であれば、小魚や青魚を中心にすることがおすすめです。

青魚はDHAやEPAのオメガ3脂肪酸も豊富に含みながらも汚染物質は少ないことからです。

水銀等はマグロなどの大きな魚により多く含まれることで知られています。

今回の報告は調査対象の人数がさほど多くないことからも、大規模な調査が望まれるところです。

 

参考:

Reduction in behavior problems with omega-3 supplementation in children 8-16 years.

J Child Psychol Psychiatry. 2014 Aug 22

 

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