喫煙中毒から禁煙とNアセチルLシステイン
タバコを吸ういわゆる喫煙はなかなかやめられない中毒性があるといわれ、禁煙をするために禁煙外来を利用する人も多いようです。
たばこの喫煙に関わらず、ギャンブルや大麻などの中毒性に利用されることが多い栄養素の1つがNアセチルLシステインで、最新の調査報告をご紹介します。
喫煙中毒とNアセチルLシステインの調査:
喫煙者で禁煙を試みるもクセになっていたり、中毒性のような理由から禁煙することができていない平均年齢51歳の34名の患者をランダムに選出し、12週間にわたって2つのグループに分けて行なわれた調査です。
1つ目のグループにはNアセチルLシステインを1回1,500mgで朝と夕方の合計2回摂取して一日に合計3,000mgのNアセチルLシステインを摂取してもらい、2つ目のグループには偽粒であるプラセボ粒が用意され、同様に摂取を継続して期間中の推移が計測されました。
上記に加えて、2つのグループには共に対象者全員に対して、喫煙者に特化したグループセラピーも同様に12週間にわたり継続されました。
12週間の期間を経て、禁煙に成功したのは、NアセチルLシステインを摂取したグループでは47.1%であったのに対し、偽粒のグループでは21.4%の禁煙率にとどまったという結果でした。
加えて、禁煙を試みることで発生することがある感情や情緒不安定によるうつ障害率の中央値もNアセチルLシステインを摂取したグループでは大幅に低くなっていたとの報告も加えられています。
喫煙やギャンブル、大麻などのドラッグをはじめとするある種の中毒性を伴う行動にNアセチルLシステインが使用されることは目新しいことではなく、今までにも様々な報告事例がなされてきました。
NアセチルLシステインは何かに集中するように誘導する働きが期待できる成分として適していると報じられています。
栄養素に詳しい世界的に知られるアラン・ゲービー医学博士によると、NアセチルLシステインを使用する調査は更なる報告が期待されるものの、今回の調査のようにNアセチルLシステインが喫煙中毒患者に対しておこなわれた調査でも良い結果を示したことについて不思議なことではないと伝えています。
参考にした情報:
Prado E. et al. NアセチルLシステイン for therapy resistant tabacco use disortder: A pilot study. Redox Pep. 2015:20:215-222.
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