皮膚がん予防とオメガ3と緑茶
アメリカでの緑茶の台頭
20年前頃からでしょうか、アメリカを中心に緑茶の効果や効能に関する報告が増え、スーパー等でも緑茶入り飲料が人気になりはじめたのは。
当時は緑茶も紅茶同様に砂糖がたっぷり入ったペットボトルにまるで紅茶のおまけのように売り場に販売されはじめていたことを思い出します。
緑茶に含まれるポリフェノール、カテキンについての報告は増え続けると共に世界一有名な健康飲料とまで言われるまでに発展してきています。
緑茶とがん予防や治療
最近ではダイエットやアンチエイジング、病気予防やがん予防、それにがんの治療にまでおすすめする医師や病院もアメリカでは少なくとも出てきました。
私が紹介する記事は欧米の医療現場やナチュロパス、代替療法の専門家の論文や学会、民間教育機関による研究報告が主なのですが、それらの中でもがんに関する情報や先生のおすすめの中に緑茶以外でも味噌や大豆、発酵食品といった日本の代表食材が名を連ねることも少なくありません。
先日も乳がんを担当する先生であるアメリカのメイン州を中心に現場で活躍するバーバラ・マクドナルド博士の記事の紹介の中でも乳がんの生存率を高めるためにおすすめする施策の1つが一日に5杯以上の良質な緑茶を飲むことで16.7%のリスク減少につながる研究報告を紹介しました。
海外だけでなく日本の研究発表もアメリカでは知られるところで、2001年の初期がん対象の調査では最低3杯、できれば5杯以上の緑茶を飲む人は飲まない人と比較した場合に31%リスクが減るという記事がありました。
これらの記事は日本の愛知がんセンターで根拠に基づく調査プログラムによってCancer lett. 2001;167(2):175-182にて発表されています。
アメリカではそこまでの緑茶を日々飲めない人のために併用して緑茶エキスのサプリメントで300−600mg入り程度のカプセルを1日3粒以上がおすすめとされています。
上記の研究報告はアメリカで治療現場の専門家に親しまれている月刊誌の特集でバーバラ・マクドナルド博士の乳がん治療についての7つおすすめの2番目に大きく書かれています。
ちなみに7つのおすすめのうちのもう1つは大豆食品を毎日1回食べることで乳がんのリスクを15から35%下げる報告が掲載されていました。
最近アメリカで頭の良い大学での流行の中に日焼けマシンの利用が、またブームになりつつあるということをニュースで拝見しました。
一時期においては日焼けマシンが発がん性を発するという報告から人気は下火を続けていたように思います。
アメリカに限らず流行は変わるものですが、アメリカでは皮膚がんは最も多いがんのうちの1つで知られています。
皮膚がんの高い原因の1つに紫外線を浴びることで知られますが、特にミドルエイジとしてのくくりに入る女性が多いとも伝えられています。
イギリスのマンチェスター大学のレズリー・ローズ博士を中心とする研究班は22から60歳の男女79人に対して70%のEPAと10%のDHAを含む5gのオメガ3のサプリメントを三ヶ月にわたり日焼けマシン利用との調査を行ったところ、EPAとDHAのオメガ3のサプリメントを飲まなかったグループと比較すると皮膚がんと関係する免疫の働きのリスク要因が50%低い状態であったことから、一般的な病院の治療に加えての支え役を担う可能性もあると発表しました。
参照資料:Clinical Nutr. March 2013;97:646-652
EPAとDHAのオメガ3のサプリメントの調査は皮膚がん予防対策の1つとしてアンチエイジング(抗老化)アプローチとしておすすめされたものです。