セリアック病の原因と改善に関する4つの誤解とは?
セリアック病は、体が必要な栄養素を吸収するのを妨げる可能性のある消化器系と免疫系の疾患です。
専門家によると、セリアック病に対する私たちの概念と認識は過去数十年にわたって進化してきましたが、まだ十分に理解されていない側面があるようです。
一例を挙げると多くの人は、セリアック病を患っているすべての人が腹痛や下痢に悩まされていると考えていますが、実際にはセリアック病と診断された多くの人は、こうした症状を持っていないようです。
また、セリアック病の大敵であるとされているグルテン(小麦、大麦、ライ麦などの穀物に含まれる粘着性タンパク質)は、セリアック病を患っていない人でも胃腸障害やその他の症状を引き起こす可能性があります。
セリアック病と関連する消化器疾患に関する4つの誤解と事実について掘り下げてみましょう。
Contents
誤解1 セリアック病は通常、若い年齢で診断される?
セリアック病は通常若い年齢で診断されると思われるかもしれませんが、そうとも限らないことが報告されています。
セリアック病は、赤ちゃんが初めてグルテンにさらされた後でも発症する可能性があり、また若い世代にも発症する可能性が十分にあります。
ですが、全米セリアック病協会によると、診断の平均年齢は46歳から56歳の間で、約25%の人が60歳以降に診断されることが報告されています。
多くの場合、栄養不足による貧血や骨粗鬆症などの症状が判明した後に診断を受けるようです。
誤解2 セリアック病は腸にのみ影響する?
セリアック病にかかっている人は、グルテンを食べると免疫系の攻撃が引き起こされ、小腸の内壁が破壊される可能性があることが多く報告されています。
健康な小腸には、栄養素を吸収する絨毛と呼ばれる指のような突起が並んでいます。
セリアック病では、免疫系が絨毛を攻撃し、絨毛が平らになって炎症を起こし、栄養素を十分に吸収できなくなるようです。
セリアック病では胃腸のトラブルが発生する可能性は十分にありますが、必ずしもその症状のみが発症するわけではありません。
実際、セリアック病は、神経系、内分泌系、骨格系に影響を与えるさまざまな症状が現れることがあるようです。
誤解3 セリアック病とグルテン不耐症?
グルテンを食べた後に気分が悪くなったら、セリアック病にかかっているのではないかと心配になるかもしれません。
ですが実際には、そうではないかもしれません。
グルテンを食べた後に具合が悪くなる可能性がある、次のようなほかの疾患もあります。
-非セリアック性グルテン過敏症(グルテン不耐症)
非セリアック性グルテン過敏症も、グルテンを食べた後に不快な消化器症状を引き起こす可能性がありますが、グルテン不耐症はセリアック病とは異なります。
非セリアック病のグルテン過敏症は、明確には定義されていません。
グルテンに対して不耐性なのか、グルテンを含む食品に含まれる他の何かに対して不耐性なのかは不明です。
しかし1つの可能性は、FODMAPとして知られる糖様の分子で、これは小麦を含む多くの食品に含まれています。
FODMAPは、「発酵性オリゴ糖、二糖類、単糖類、ポリオール」の略で、腸内細菌がFODMAPを餌にすると、ガスや膨満感が発生する可能性があるようです。
-小麦アレルギー
小麦アレルギーでは、小麦を食べた後に腫れやかゆみ、口や喉の炎症などの症状を引き起こす可能性があります。
小麦アレルギーのその他の症状には、皮膚の発疹、鼻づまり、頭痛のほか、けいれん、吐き気、嘔吐などがよく挙げられている症状といえます。
人によっては、アナフィラキシーと呼ばれる生命を脅かすアレルギー反応を起こすことがあります。
誤解4 グルテンフリーの食事は、常にセリアック病の症状と兆候を和らげる?
セリアック病の唯一の治療法とは、グルテンを含むすべての食品を避ける食事を摂ることと考えられています。
しかし、それが必ずしも役立つわけではありません。
セリアック病の人の約20%は、グルテンフリーの食事をするために最善の努力を払っているにもかかわらず、症状が続いているそうです。
こうした無反応性セリアック病に対する解決策は、日々研究されています。
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