常に孤独を感じると、脳卒中のリスクが高まる可能性がある?
長期間にわたって孤独でいると脳卒中を起こすリスクが大幅に高まることが、新たな研究で明らかになったようです。
孤独と脳卒中リスクの関連性や、孤独を感じないためのコツを探ります。
Contents
孤独と孤立
孤独とは一般的に、一人でいることに苦痛を感じる感覚のことを指すようです。
孤立と孤独は似たような単語ですが、その意味は異なるようです。
孤立している人は、実際には孤独を感じていない可能性があり、一方で、孤独な人は実際にはたくさんの人々に囲まれているという可能性も考えられます。
孤立は、物理的に人々と距離が離れていて、社会的な交流がほとんどない状態ですが、望んでこの状態を作っている場合も考えられます。
一方、孤独を感じている人は、仲間の中にいても傍観者として立っているように感じ、誤解されていると感じ、グループから切り離されていると感じるかもしれません。
孤独などの心理は、人が「満足のいく社会的関係を維持できない」と思っていることに起因している可能性があるようです。
その結果、長期的な対人関係の困難が生じ、それが脳卒中のリスクに影響を及ぼす可能性があると、専門家は分析しているようです。
専門家によると、孤独を感じている人は、社会的孤立だけでなく、不安症やうつ病のリスクも最も高いのだそうです。
人口の高齢化に伴い、高齢者と若者の両方にとって、孤独はますます大きな懸念事項となっているようです。
孤独と脳卒中リスクの関連性
これまでの研究では、脳卒中の原因として考えられる健康上の理由は、炎症、免疫力の低下などが関連すると考えられてきたようです。
しかし新たな研究によると、長期間にわたって孤独であると申告する人は、脳卒中のリスクが高いことがわかったそうです。
孤独は、生理的、行動的、心理社会的の3つの経路を通じて、脳卒中のリスクを高める可能性があるようです。
ジョージア州アトランタのピエモント・ヘルスケア・コーポレーションで心臓専門医であるジェーン・モーガン医学博士は、精神状態の悪化によるストレスが原因となり、血圧が上昇することが脳卒中の一因でもあると述べられているようです。
さらに、孤独に加えて次のような要因も絡み合ってくるようです。
-運動不足などによる身体活動の低下
-過食
-加工食品の大量摂取
-アルコール摂取量の増加
-タバコや薬物の使用の増加
-処方薬の遵守率の低下
-睡眠不足
これらの行為は健康に悪影響を与える可能性があることから、自傷行為とも言えるかもしれません。
重要な点は、脳卒中のリスクと直接関連するのは、孤独だけではないということのようです。
複数の要因の組み合わせにより、脳卒中は起こる可能性があります。
孤独であるということは、自分自身をケアする能力が低下している可能性が高く、また、自傷行為に及ぶ可能性も上がることが考えられるかもしれません。
「医師や周囲の人が社会的交流を促し、地域のリソースへの紹介などを行う時代に移行しているのかもしれません」と、前述のモーガン氏は期待しているようです。
孤独を感じないためのコツ
前述のとおり、一部の人にとって、孤独はそれほど問題ではないかもしれません。自ら孤独を選ぶ人もいるからです。
孤独を選ぶ人は、強さを持っているとも言えまるかもしれません。
また、孤独でいることがその人にとっては重要で、意味のあることなのかもしれません。
一方で、選んでいないにもかかわらず孤独を感じる人は、孤独を和らげるコツとして、自分の好きな物事に熱中する時間を大切にするのはいかがでしょうか。
好きなことをすると毎日が忙しくなり、孤独を感じることも少なくなるかもしれません。
このように、メンタルの作り方によっては、効果的に生活し、脳卒中を起こさない程度に自分自身をうまくケアすることができるかもしれません。
また、孤独は、周りの環境や社会的課題などの外的要因によるものである可能性もあります。
自らを取り巻く環境に孤独感の原因となる要因があるかどうかも観察し、必要があれば環境を変えるなどの方法をとることも、孤独な脳卒中から身を守る手助けになるかもしれません。
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