人工甘味料は腸の健康を害すだけでなくDNAや血管を損傷しがんになる可能性も？
砂糖を大量に摂取すると、さまざまな健康問題のリスクが高まることは知られていますが、最近の研究では、人工甘味料は、まったく別のルートから健康への悪影響を及ぼす可能性があることが示されました。
具体的には、ガム、ドレッシング、ソースなどにも含まれているスクラロースのような人工甘味料は、酸化、炎症、DNA損傷を引き起こし、がんのリスクを高める可能性もあるようです。
また、血管を直接的に傷つける可能性もあることもわかっているようです。
人工甘味料の悪影響について改めて探っていきます。
人工甘味料の魅力？
近年、砂糖の過剰摂取は、肥満、糖尿病、心血管疾患と確実に結びついています。
甘くてカロリーが高い砂糖の代替品として登場したのが人工甘味料です。
今日、人工甘味料を含む製品は何万もあり、世界で最も多く使用されている食品添加物の1つとなっています。
中でもスクラロースのようなカロリーゼロの人工甘味料は、ダイエット飲料や低カロリーのスナックを甘くすることができ、肥満などへの恐れを感じずに食べられるものとして人気が高まっているようです。
人工甘味料を使うとがんになりやすいくなる?
人工甘味料とがんの関連性には、近年、常に注目が集まっています。
研究では、一般的に使用されている人工甘味料に含まれる化学物質がDNA損傷を引き起こす可能性があることが報告されています。
この化学物質は、甘味料スクラロースの代謝産物であるスクラロース-6-アセテートという物質でした。
研究結果によると、スクラロースは腸の健康を害し、血管を傷つけ、酸化、炎症、DNA損傷を引き起こし、がんのリスクを高める可能性があることがわかっているようです。
スクラロースを含む最も一般的な食品は、チューインガム、サラダドレッシング、ソース、スナック類などが挙げられます。
甘味料の新たな見方
カロリーのない人工甘味料が現れたにもかかわらず、肥満と糖尿病は依然として急増しているようです。
ここに、人工甘味料が体内にもたらす生化学的変化を調査した研究があります。
研究者らは、細胞培養とラットの両方で、砂糖と甘味料が血管の内層、つまり血管内皮にどのように影響するかを研究したのだそうです。
そこで、研究者らは2種類の糖 (グルコースとフルクトース) と、カロリーゼロの甘味料であるアスパルテームとアセスルファムカリウムに注目しました。
同様に甘く、カロリーが反対の化合物を比較するために、研究者らはラットに3週間これらを与えたようです。
この実験により、砂糖と人工甘味料はどちらも血管の働きを阻害することが明らかになりました。
しかし、これらの阻害は異なる方法だったようです。
砂糖と人工甘味料はどちらも異なるメカニズムではあるものの、肥満と糖尿病に関連する悪影響を示していることがわかったようです。
観察された血管の変化は「糖尿病と肥満の発症と進行に重要な可能性がある」と結論付けられています。
人工甘味料と生化学的変化
砂糖と人工甘味料はどちらも、ラットの血液中の脂肪、アミノ酸、その他の化学物質の値に変化をもたらしました。
特に人工甘味料は、体が脂肪を処理してエネルギーを得る方法を変えたようです。
また、甘味料のアセスルファムカリウムは、ほかの人口甘味料と比べて体内にゆっくりと蓄積することが分かりました。
このようにゆっくりと蓄積され、その濃度が高いほど、血管への損傷は深刻であることがわかっています。
適度であれば、体は砂糖を処理する仕組みを持っていますが、この仕組みが壊れるのは、長期間にわたって砂や甘味料を摂取し続けた場合になるようです。
さらに、これらの砂糖をカロリーのない人工甘味料に置き換えると、脂肪とエネルギーの代謝にも悪影響が出ることも報告されています。
このように、人工甘味料も砂糖も、いずれも体に良いとは言えない可能性が高いです。
私たちの健康のために、甘味料の摂取の仕方を真剣に考えるべき時なのかもしれません。
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引用文献：
2023 in medicine: Artificial sweeteners, colon cancer, and male birth control
Artificial sweeteners may damage blood vessels
