塩分の過剰摂取はアトピー性皮膚炎のリスクを高める可能性と食事中のナトリウムを減らすためのヒント
過剰な塩分(ナトリウム)の摂取は、アトピー性皮膚炎や湿疹の発症や悪化と関係しているかもしれません。
新しい研究では、ナトリウムが皮膚に蓄積されると炎症経路が引き起こされ、アトピー性皮膚炎を引き起こす可能性があることが示されているようです。
アトピー性皮膚炎の発症と塩分、また他の環境要因などとの関連について探ります。
アトピー性皮膚炎は
アトピー性皮膚炎は湿疹の症状として広く知られています。
アトピー性皮膚炎には、発疹、皮膚の乾燥やひび割れ、かゆみ、皮膚の変色、水疱などの不快な症状があります。
アトピー性皮膚炎は、アレルギー性疾患の一つとも考えられていますが、人によって異なる要因によって引き起こされると考えられています。
全米湿疹財団によると、米国では3,160万人が何らかの湿疹を患っていまるようです。
中でもアトピー性皮膚炎は子供に最も多く見られ、約5人に1人が罹患しているようです。
米国では 18 歳未満の子供約 960 万人がアトピー性皮膚炎を患っており、その3分の1が中程度から重度の症状を持っていると考えられています。
湿疹が起こる部位は年齢に応じて変わる傾向があり、幼少期は首や手足の関節の裏側、思春期~成人期は、顔、頸、胸などの上半身に湿疹があらわれる傾向があるようです。
アトピー性皮膚炎に対するナトリウムの影響
現在、カリフォルニア大学サンフランシスコ校による新しい研究は、食事中のナトリウムの摂取量が多いとアトピー性皮膚炎を発症するリスクが高まる可能性があることを示唆しています。
この大学でのある研究では、参加者215,832人(平均年齢56.52歳、37~73歳)のデータを調査したそうです。
参加者の尿検査により、24時間尿中ナトリウム排泄量の推定平均値は3.01グラムで、前日の食事性ナトリウム摂取量の約90%に相当することが判明しました。
そして研究者らは、この平均値を超えるナトリウム1グラムごとにアトピー性皮膚炎のリスクが上昇することを観察したそうです。
この研究の結果、24 時間の尿中ナトリウム排泄量が推定1グラム増加した人は、アトピー性皮膚炎を発症する可能性が11% 高く、既存のアトピー性皮膚炎の症状が現れやすい可能性が 16% 高く、アトピー性皮膚炎の重症度が増す可能性が11% 高いことがわかったそうです。
ナトリウムは水分損失を防ぐために皮膚に蓄えられ、感染を防ぐのに役立つ可能性があると仮定されています。
しかし、ナトリウムは免疫系の細胞を活性化し、一部の炎症経路を誘発し、他の経路のブレーキを解除することもあるとも考えられているようです。
食事中のナトリウムを減らすためのヒント
アトピー性皮膚炎の原因はさまざまであり、個人によって異なるため、ナトリウムだけが原因である可能性は低いと考えられています。
原因となる食品には、食品添加物、保存料、乳製品、小麦、卵、魚、貝類なども考えられているようです。
しかし、研究結果では塩の摂取量を減らすことがアトピー性皮膚炎を予防または緩和する簡単な方法である可能性があることを示唆しています。
また、食事中のナトリウムは控えめにすることで他の多くの健康上の問題にも対処することができます。
調理の際に食事中のを減らすためのヒントには、次のようなものがあります。
-お気に入りのハーブ、スパイス、辛味料などを見つける
-レモンやライムなどの柑橘の風味を利用する
-バルサミコ酢やアップルサイダーなどの酢を利用する
-ニンニクや玉ねぎなどの風味を加える
これらの方法により、塩だけに頼らずに、料理に深みと酸味を持たせることができそうです。
汗をかきすぎたり、慢性的な下痢で塩分の摂取量よりも損失量が多い場合、特に夏場の塩分量には留意したいところではありますが、一般的に塩分控えめの食事を選択することは健康に良いこととして推奨されています。
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