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ストレスによって引き起こされる「たこつぼ心筋症」とは?

2024年04月23日

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私たちの思考や感情は心臓の健康に影響を与え、心臓に起こることは同様に脳の健康に影響を与える可能性があるようです。

腸-脳軸として、腸と脳が繋がっていると聞いたことがある方も多いかもしれませんが、心血管系の健康もまた脳の健康と関連しており、その逆もまた然りです。

私たちの最も重要な臓器であるとも言える、心臓と脳の関係について、また日本で発見され名付けられたとされている「たこつぼ心筋症」について探ります。

心臓と脳の関係

心血管疾患の原因の一つと考えられるものに、心理的トラブルが挙げられるようです。

また、米国アルツハイマー病協会によると、アルツハイマー病患者の10人に8人が心臓病を患っていることが示されているそうです。

一方で、世界保健機関(WHO)は、心臓病を世界の死因の第1位とし、うつ病を「世界の障害の最大の原因」と呼んでいるとも言われています。

このように、心臓の健康と脳の健康にはとても深い関連性があることがうかがえます。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)

一説によると、心臓を含む脳と身体の発達は胎児の頃の発育から始まるとも考えられているそうです。

つまり、胎児の頃から母体がストレスを感じ続けていると、心臓をはじめとするほかの部分にも影響が出てしまう可能性があるということでしょうか。

マサチューセッツ総合病院のストレスと外傷の神経心臓影響研究室所長であるアントニア・セリゴウスキー氏によると、慢性的な衰弱性のストレスが心臓疾患を引き起こす可能性が高いことが研究で明らかになっているそうです。

たとえば、2021年のメタ分析によると、PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、心臓病関連の死亡率と大きく関連しているようです。

PTSDとは、自分ではどうすることもできないような、また命にかかわるような強烈な体験をした後に生じる精神的疾患の総称です。

ストレスを経験すると、交感神経系が免疫反応を引き起こして血中にサイトカイン(免疫系細胞から分泌されるタンパク質)を放出します。

これが時間の経過とともに動脈に炎症を引き起こし、心臓病の主な根本原因であるアテローム性動脈硬化を引き起こすプラークの生成を促進することが報告されています。

ストレスの影響は性別によっても異なると言われています。

アメリカにある米国国立PTSDセンターの統計によると、男性よりも女性の方が、PTSDを引き起こす可能性が多くその数は約2倍にも上ることが報告されています。

そのため、特に女性の方は、ストレスを感じ続けないことが、心臓を守ることにもつながるのかもしれません。

たこつぼ心筋症

健康な人が突然のストレスを受けると、血液を送り出す左心室が弱くなる「たこつぼ心筋症」を発症することがあるようです。

このほぼすべてのケースが女性に発生することが報告されています。

たこつぼ心筋症では、急な胸の圧迫感や痛み、動悸、呼吸困難などが生じ、その症状は急性冠症候群(急性心筋梗塞)と非常に似ているのだそうです。

そのため、実際に心臓発作の疑いがある女性の最大5パーセントが、実際には心臓発作ではなくこの「たこつぼ心筋症」を患っているとの報告もあります。

たこつぼ心筋症についてはまだわからないことが多いようですが、ストレスによって引き起こされていることは間違いないようです。

ストレスを取り除く

ストレスは誰にでもあるものですが、大切なことはそれを感じ続けないことです。

特に強いショックを受けた後などは、ストレスをため続けてしまうことがあるかもしれません。

ストレスを取り除くには、体を動かすこと、栄養価の高いものを食べること、大きな声を出すこと、ゆっくり休むことなどが挙げられます。

また、ヨガや瞑想なども役に立つかもしれません。

そして、必要であればだれかに話を聞いてもらうことも大切です。

ゆっくり寝て、いろいろな食材を使用した食事を食べ、体を動かすという基本的なことがストレスに対抗するもっともよい方法なのかもしれません。

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引用文献:

Heart-Brain Health: A Two-Way Street
たこつぼ心筋症

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