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塩分の多い食事がラクトバチルス善玉菌を殺す可能性がある!?

2024年02月06日

善玉菌

普段、塩分を気にして食事をとられているでしょうか?

血圧が高い人は塩分を気にされた食事を心がけられておられるかもしれませんね。

血圧以外にも塩分濃度を心がける食事が他にもあるかもしれません。

というのも、新しい研究結果報告によると、塩分摂取量の多さが特定の腸内細菌に大きな影響を与える可能性があることを示しているようです。

そしてこれが、結果的に高血圧や免疫系に影響を与える疾患の一因となる可能性があるようです。

塩分がどのようにして私たちの体の微妙なバランスを崩すのかを探ります。

塩分の多い食事と高血圧

高血圧と塩分の多い食事との関連性は、すでに広く認識されているのではないでしょうか。

食事で塩分を摂り過ぎると、血液中の塩分濃度が上がります。

この結果、体内に水分がため込まれることになります。

これによって、血管内の血液量も増えることにより、血管にかかる圧力が高まり血圧が上がってしまいます。

これが、食事の塩分と高血圧のメカニズムです。

高塩分の食事で血圧が上がると、その結果心筋梗塞や脳梗塞、狭心症など命にかかわる重大な疾患の原因となる可能性もあります。

また、多発性硬化症 (MS) などの自己免疫疾患の進行を早める可能性もあるようです。

乳酸菌とは?

一部の発酵食品に含まれるラクトバチルスと呼ばれる腸内細菌の一種は、「善玉菌」とみなされています。

善玉菌は、悪玉菌とは対照的に、疾患や炎症に対する保護の役目をすると考えられています。

たとえば以前の研究では、乳酸菌がいくつかの病原体の増殖を阻害し、狼瘡(ろうそう)を患う女性の腎炎症の軽減にも役立つ可能性があることが発見されたようです。

これ以外にも、善玉菌を含む乳酸菌は、体に良い状態をもたらす増やしていきたい菌であると考えられています。

乳酸菌ラクトバチルスは、次のような食事に含まれています。

-ヨーグルト
-チーズ
-味噌
-醤油
-漬物
-納豆

また、新鮮な野菜や果物をたくさんいただくことで、ラクトバチルス菌を効率よく増やし、腸内環境を整えることにつながります。

塩分と乳酸菌

英国のマンチェスターで開催された英国心臓血管学会会議で発表された最新の研究は、塩分を多量に摂取すると乳酸菌が死滅し、それによって病気のリスクが高まる可能性があることを示唆しているようです。

研究では、マウスに塩分を多く含む食事を与えると、マウスに見られる乳酸菌の一種が破壊されることが発見されたようです。

また、塩分の多い食事はマウスの血圧を上昇させ、「TH17細胞」と呼ばれる炎症を誘導する免疫細胞の活性化を引き起こしたそうです。

それだけでなく、マウスは、脳脊髄炎と呼ばれる多発性硬化症 (MS) に似た神経学的症状の症状も示したことも報告されています。

このような症状に対して、マウスに乳酸菌のプロバイオティクス治療を施すことで脳脊髄炎の症状とTH17細胞数が軽減され、マウスの血圧も安定することを発見したそうです。

その後、人間による実験も行われたようです。

その実験では、まず2週間にわたって毎日6グラムの塩分を余分に摂取する12人の健康な男性を募集し、塩分摂取量を実質的に2倍にしたそうです。

その結果、ほとんどの参加者において、腸内に生息する細菌群であるマイクロバイオームから乳酸菌が排除されていることを発見したそうです。

そしてマウスと同様に、研究に参加した男性も血圧が高く、TH17細胞数が増加していたことも報告されています。

今後の見通し

腸内細菌が病気に対して果たす役割についてはますます研究が進められています。

中でも、塩分が腸内マイクロバイオーム内の健康な細菌を死滅させるという新しい発見には注目が集まっているようです。

高血圧や炎症など、塩分によって悪化することがわかっている症状を治療するためには、今後もますます腸内微生物叢をどのように育てていくかに注目していくことが大切と言えそうです。

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引用文献:
High-salt diet may kill off ‘good’ gut bacteria

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