乾癬性関節炎と炎症性腸疾患は腸の問題と関連?
乾癬性関節炎と炎症性腸疾患は、どちらも炎症を伴う疾患です。
研究では、乾癬性関節炎と炎症性腸疾患の間には関連性があることが示唆されているようです。
本日は、乾癬性関節炎と腸の問題について調べたことをお伝えします。
乾癬性関節炎と炎症性腸疾患とは?
乾癬性関節炎の一般的な症状には次のようなものがあります。
-腱の圧痛、痛み、または腫れ
-倦怠感
-可動範囲の減少
-爪の穴あきまたは剥離
-足の指や指の腫れ
-関節の腫れ、硬直、痛み、ズキズキ感、または圧痛
-朝の硬直
-目の痛みや赤み
また、乾癬性関節炎の炎症は、体のいくつかの場所に影響を与える可能性があります。
-皮膚と爪
乾癬性関節炎を発症する人の約68%には、すでに乾癬による皮膚症状が見られるのたそうです。
乾癬性関節炎を抱えて生活している人の約80~90%も、何かしらの爪の症状を経験するそうです。
-目
人の目と視力に影響を与える稀な炎症性疾患であるぶどう膜炎は、乾癬を抱えて暮らす人々の約7~20%に発生すると言われています。
ブドウ膜炎は、放置すると視力の低下をの治療は視力低下を防ぐために重要です。
-肺
2015年のレビューでは、慢性閉塞性肺疾患の発症との関連性をも報告されています。
慢性閉塞性肺疾患は肺に炎症反応を引き起こし、呼吸がさらに困難になり、痛みを伴うことがあります。
この関連性のため、PsA を抱えて暮らしている人は、喫煙や受動喫煙への曝露を避けるように特に注意する必要があるかもしれません。
-心臓
乾癬性関節炎を抱えて生活している人は心血管疾患を発症するリスクが高いことを示しています。
乾癬性関節炎に関連する慢性炎症により血管が損傷し、血管の硬化や肥厚を引き起こす可能性があり、脳卒中や心臓発作のリスクを高める可能性があるそうです。
一方、炎症性腸疾患は、クローン病や潰瘍性大腸炎などの一連の症状を表します。
胃腸管の慢性炎症は潰瘍性大腸炎を引き起こします。 症状としては、下痢、血便、腹痛、倦怠感などがあります。
乾癬性関節炎は腸に影響を与える可能性がある?
研究の結果、乾癬性関節炎が潰瘍性大腸炎を含むいくつかの消化管の問題に関連性を持つことを示しています。
また別の研究でも、乾癬性関節炎と潰瘍性大腸炎との関連性が発見されました。
乾癬患者は、他の人よりも潰瘍性大腸炎の診断を受ける可能性が高いことが示されています。
また、乾癬性関節炎とヒトの消化管に生息する微生物を指す腸内微生物叢との関連性も示唆されています。
乾癬性関節炎と腸内微生物叢
研究によると、乾癬、乾癬性関節炎、潰瘍性大腸炎と肥満は、ある種の腸内細菌の減少に関連しているようです。
それによると、乾癬および乾癬性関節炎では「腸内細菌叢症」が見られることがあるようです。
腸内細菌症は、主に酪酸を産生する細菌の減少によって特徴付けられると結論付けることができるそうです。
酪酸を賛成する細菌が少なくなると、腸管バリアが弱くなります。
その結果、免疫系の刺激につながり、乾癬性の形成をもたらすことにもつながるようです。
さらに、関節を含む全身性炎症を引き起こす嚥下障害も、乾癬性関節炎の病因のモデルとして提案されているようです。
いくつかの研究により、プロバイオティクスの使用が乾癬の経過にプラスの効果をもたらすということがわかっています。
プロバイオティクスの中でも、ラクトバチルス・ペントサスとビフィズス菌35,624は、ヒトの乾癬を改善したことが報告されています。
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引用文献:
You Ask, We Answer: Can psoriatic arthritis cause bowel problems?
Alterations of the Skin and Gut Microbiome in Psoriasis and Psoriatic Arthritis