カンジダ感染がアルツハイマー病にも関連!?
アルツハイマー病や認知症には誰もがなりたくないものです。
このたび、マウスを使った研究で、カンジダ・アルビカンスが脳内に侵入し、アルツハイマー病のような状態を引き起こす可能性があることが明らかになったようです。
カンジダ菌はどのようにして脳に侵入し、アルツハイマー病の発症とどのように関わっているのでしょうか。
カンジダ感染とアルツハイマー病との関連について探ります。
カンジダ・アルビカンスとアルツハイマー病
-カンジダ・アルビカンス
カンジダ・アルビカンスとは酵母の姿の菌類の一種で、カンジダ症を引き起こす病原体として知られています。
もともとヒトの体の表面や消化管、女性の膣粘膜などに生息しながら、通常は体に何の影響も与えずに生息しています。
ですが、免疫力の低下などにより急激にその数が増えることにより感染症を引き起こす日和見感染の原因となる菌類ということがわかっています。
-アルツハイマー病
アルツハイマー病は、認知症の原因の一つともなる脳の疾患で、通常ゆっくりと始まり、徐々に悪化していきます。
初期症状は、物忘れが目立つようになることなどですが、進行すると、言語障害、迷子になりやすくなる、気分の落ち込み、意欲の低下、自己否定など様々な症状が現れる可能性があります。
アルツハイマー病の原因は現在もまだ十分に解明されていません。
ですが研究により、アミロイドβ(アミロイドベータ)と呼ばれる脳内で作られるたんぱく質の一種が、脳内に蓄積されることが原因の一つではないかとみられています。
カンジダ菌の脳内侵入
今回の研究では、アミロイドβの蓄積にカンジダ・アルビカンスが関連しているかもしれないことがわかったようです。
研究チームは、真菌カンジダ・アルビカンスが酵素を使って、血液と脳組織間で必要な物質輸送を担う役割のある血液脳関門を通過することを明らかにしたようです。
同時に、脳に侵入したカンジダ・アルビカンスが、アルツハイマー病患者の脳内に蓄積するアミロイドβと同様のアミロイドタンパク質を生成する可能性があることがわかったようです。
一方、脳も真菌と戦おうと働きます。
脳の感染症と戦う細胞であるミクログリアは、カンジダ・アルビカンスを検出すると、この真菌を排除するように働きます。
これらの脳の働きは、アルツハイマー病患者で見られるものと類似しているため、カンジダ菌の脳内侵入が、アルツハイマー病の認知機能低下に関わる可能性があることを示唆しています。
これらの調査結果は、カンジダ・アルビカンスに関連した感染症が脳の健康に悪影響を及ぼす可能性があることを示唆していますが、まだ証明はされていない段階です。
また、これはマウスモデルであり、マウスモデルでの研究が必ずしも人間に当てはまるとは限らないとも言及されています。
ですが、この研究により、カンジダ症を避けるに越したことはないことは誰もが意識するのではないでしょうか。
カンジダ菌やアルツハイマーを避けるために
カンジダ菌の増殖を避けるためには、次のような方法が挙げられます。
-普段から低糖質の食事をとるように心がける
-抗生物質の使用を可能な範囲で避けるように心がける
-もし抗生物質を使用する場合には、投与後にプロバイオティクスや発酵食品を摂取するようにする
-ココナッツオイル、ニンニク、オレガノなどの天然の抗真菌特性を持ついわyる抗生物質のような食品やハーブの摂取量を増やす
また、アルツハイマー病に関連する危険因子は以下の通り報告されています。
-睡眠不足
-2型糖尿病
-高血圧
-座りっぱなしのライフスタイル
-過剰体重
-社会的孤立
年齢を重ねても認知症のリスクをできる限り減らすために、自分でコントロールできる生活習慣や食習慣などは、極力修正するように心がけたいですね。
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引用文献:
How a Candida infection could trigger mechanisms tied to Alzheimer’s
Wikipedia カンジダ
Wikipedia アルツハイマー病