放射線治療と下痢とプロバイオティクス
放射線治療によって誘発されるといわれる下痢にラクトバチルスアシドフィルスとビフィズス菌ビフィダムのプロバイオティクスを摂取することが下痢の予防につながる可能性があることを放射線と腫瘍についての専門誌に報告されていました。
がんの治療にしばしば利用される放射線治療は、時に下痢を誘発することがあることで知られていますが、専門家らがおこなった調査では放射線治療の実施7日前からプロバイオティクスに属するラクトバチルスアシドフィルスとビフィズス菌ビフィダムをそれぞれ朝食前と夕食前に2カプセルで合計4カプセル摂取し続けたところ、下痢への誘発率が偽粒よりも低く、その差は大きく開いた結果となったと報じています。
今回のラクトバチルスアシドフィルスに加えて、ビフィズス菌ビフィダムとプラセボを用いた調査の対象は骨盤のがんに対しての放射線治療と抗腫瘍活性をするとされる化学療法のシスプラチン治療に参加した63名の女性を対象に行なわれた調査でしたが、結果としてラクトバチルスアシドフィルスと、ビフィズス菌ビフィダム摂取グループの下痢発生率がわずか9%だったのに対して、偽粒を利用したグループの下痢発生率は45%とその差がひじょうに大きかったことが評価されたことも伝えられています。
腸は免疫力の70%を担っていると言われることに加えて、放射線治療をより有利に導く可能性があるというのであれば、利用者としては選択肢が新たに増えることにもつながるために、更なる調査が待ち望まれるところです。
Chitapanarux I et al. Randomized controlled trial of live lactobacillus acidophilus plus bifidobacterium bifidum in prophylaxis of diarrhea during radiotherapy in cervical cancer patients. Radiat oncol. 2010;5:31
ビフィズス菌ビフィダムとは