痛みが続く線維筋痛症の自然療法はおすすめか?
線維筋痛症は、首、肩、背中、腰、腕、脚などの筋肉に痛みや疲労を引き起こす複雑な疾患です。
誰でも発症する可能性がありますが、中年の女性や関節リウマチやその他の自己免疫疾患と関連があるようです。
現在、線維筋痛症の治療法はありません。
ですが、生活習慣の見直しや、自然療法によって線維筋痛症の症状を軽減できる可能性があるようです。
線維筋痛症の痛みを軽減するのに役立つ生活習慣
1.睡眠
2017年の報告によると、線維筋痛症の痛みと睡眠の質の低下との間に明確な関連性があることがわかったようです。
質の高い睡眠を得るためには、次のようなことを心がけることをお勧めします。
-昼寝を最小限に抑える
-毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きる
-就寝時の光と騒音を制限する
-寝る直前のテレビやスマートフォンを避ける
-食事から就寝までに2~3時間空ける
-寝る前のアルコールやコーヒーを避ける
十分な休息をとることで、線維筋痛症の症状の一つである疲れを軽減することにもつながります。
2. 運動
線維筋痛症で痛みを感じていると、最初は運動が難しいと感じるかもしれませんが、徐々に運動量を増やし、継続することで効果が得られる可能性が高まります。
筋力は一度にはつかず、時間の経過とともに増強されるため、徐々に痛みや不快感が軽減されてくることが期待できるためです。
運動の中でも、水泳、ウォーキング、サイクリングなどの有酸素運動を定期的に行うと、線維筋痛症患者の健康関連の生活の質が向上する可能性が高いとの報告があります。
また、身体機能の向上や痛み、疲労、凝りの軽減にもつながる可能性があります。
3. 休憩(リカバリータイム)
線維筋痛症の人は疲れやすいため、必要に応じて休むことが重要です。
過度な運動や活動をしすぎると、痛みや疲労感が増す可能性があるため、適度に行うことが重要です。
無理せずに休息(リカバリータイム)をとることにより、痛みが落ち着いてくる可能性があります。
4. 食事とサプリメント
バランスの取れた健康的な食事をとり、カフェイン、アルコール、タバコなどを減らすことは、体調や気分を改善するのに役立ちます。
米国の国立補完統合医療センターによると、線維筋痛症の症状を緩和する栄養素の有効性が研究されているようです。
おすすめの栄養素には次のものが含まれます。
-ビタミンD
-マグネシウム
-大豆
-S-アデノシル-L-メチオニン (SAMe)
-クレアチン
サプリメントは他の薬と相互作用したり、アレルギー反応を出す成分が含まれていたり、副作用が生じる可能性があるため、服用前に医師や専門家に相談することをお勧めします。
また、余分な成分を含まない、純粋な成分だけで作られたサプリメントを選ぶことも大切です。
5. ストレスの軽減
研究により、精神的苦痛と線維筋痛症との間に関連性があることが特定されています。
ストレスが症状を悪化させると多くの人が報告しているようです。
ストレスを管理するためには、次のようなことを心がけることをお勧めします。
瞑想や運動、趣味、友人や家族など心を許せる人との時間などを通じてストレスを軽減すると、線維筋痛症の症状が和らぐ可能性があることも報告されています。
まとめ
つらい痛みが続く線維筋痛症は、睡眠、運動、休息、食事、ストレス管理などの自然療法により、その症状を緩和できる可能性があります。
また、上記以外にも、針治療、マッサージ、ヨガや太極拳などにより、可動範囲を広げ、ストレスを軽減し、リラクゼーションを促進することなどから、痛みを和らげてくれる可能性があります。
まずは生活習慣を見直してみて、できそうなことから始めると良いかもしれません。
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引用文献: