胃酸逆流にも関連する甲状腺機能亢進症の治療方法とは?
嫌な症状を伴う胃酸逆流に悩ませられている方は、甲状腺機能亢進症の可能性があるかもしれません。
甲状腺の肥大により、食事に関係する筋肉に影響を与えるのではないかという考えがあるようです。
甲状腺機能亢進症により胃酸逆流を引き起こしている場合、甲状腺の状態を治療することにより症状が改善されるかもしれません。
甲状腺機能亢進症と胃酸逆流の関係や治療法などについて探ります。
甲状腺機能亢進症とは
甲状腺機能亢進症は、甲状腺が過剰に活動し、甲状腺ホルモンを通常よりも多く産生することにより発症します。
自己の免疫系が甲状腺を攻撃し、甲状腺が肥大化することにより、甲状腺ホルモンが過剰に生成されてしまうようです。
原因はいくつかわかっているようですが、最も一般的なのはバセドウ病と呼ばれる自己免疫疾患です。
甲状腺機能亢進症の症状には次のようなものがあります。
-暑さを感じやすい
-心拍数の増加
-減量
-発汗量の増加
-手が震える
-頻繁な排便
-イライラを感じやすい
甲状腺機能亢進症の主な原因の1つであるバセドウ病は、目や心臓などの臓器に影響を及ぼす可能性があります。
また、場合によっては、胃腸管に影響を及ぼし、胃酸逆流を引き起こすこともあるようです。
胃酸逆流
胃酸逆流は、胃の内容物が食道や食物管に逆流するときに発生します。
胃酸逆流が長期間にわたって繰り返し発生する状態はGERDと呼ばれ、米国では約20%の人々がこの症状を持っているそうです。
胃食道逆流症の症状には次のようなものがあります。
-胃から食道や喉への食物の逆流
-胸やけ
-胸痛
-嚥下困難また嚥下時に痛みを伴う
-吐き気
胃酸逆流は嫌な症状を伴いますが、もし、甲状腺機能亢進症により胃酸逆流を引き起こしている場合には、甲状腺機能亢進症を治療することにより症状が改善されるかもしれません。
甲状腺機能亢進症と胃酸逆流の関連性
代表的な甲状腺機能亢進症の一つであるバセドウ病は、心臓、脳、目など、複数の臓器に関わる症状を引き起こす可能性があります。
そして時には胃腸管にも影響を及ぼし、次のような症状を引き起こす可能性があります。
-胸焼け
-軟便
-吐き気
-嘔吐
-嚥下困難
バセドウ病の胃腸管への影響には、いくつかの要因が考えられます。 考えられる原因の1つは、首の付け根にある甲状腺が肥大することです。
過剰な甲状腺ホルモンは、嚥下や咀嚼などに役割を持つ首の筋肉にも影響を与えると言われています。
そして、最終的には首の筋肉の動きに制限がかかったり、動かなくなる可能性があります。
さらに、甲状腺ホルモンの過剰な分泌により、食道にも悪影響を与える可能性があるようです。
甲状腺機能亢進症と胃酸逆流症はどちらも、治療しないと合併症を引き起こす可能性もあるようです。
甲状腺機能亢進症の治療法
血流中の甲状腺ホルモンの量を減らすことに重点を置くことが甲状腺機能亢進症の治療につながります。
そのためには、次のような方法が選択されるようです。
ベータ遮断薬: 心臓の高鳴り、震え、不安などの特定の甲状腺機能亢進症の症状を制御します。
放射性ヨウ素: 甲状腺が生成するホルモンの量を減らすために、必要に応じてヨウ素を摂取する場合があるようです。
抗甲状腺薬:血流中の甲状腺ホルモンの量を減らすのに役立ちます。
手術: 必要に応じて、甲状腺切除術によって甲状腺を除去することで効果があるようです。
甲状腺の健康にとって重要な栄養素の1つに、微量ミネラルのセレンがあります。
食事の栄養バランスを整え、ふだんからストレスなどもためこまないような生活を送るよう意識することで、甲状腺疾患から身を守ることができるかもしれません。
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