繊維筋痛症とマグネシウム栄養素
繊維筋痛症の症状にマグネシウムを補給することで、その症状が軽減されることが専門誌で報告されています。
マグネシウムは体内で約300ともいわれる種類の酵素の働きを支える存在で知られると共に、土壌に含まれるマグネシウムを含むミネラルの量が100年前と比較しておおむね70%前後減少していることを第1回地球環境サミットで報告されているだけに、マグネシウムの栄養素不足になりやすい状況であることがわかります。
繊維筋痛症にマグネシウムを用いた臨床試験が報告されたのはリュウマトロジー・インターナショナル(国際リウマチ)誌ですが、繊維筋痛症と診断される人の数は大きく増えていることからも、今回の発表は多くの人に歓迎されているのではないでしょうか。
というのも、疾病管理予防センター(CDC)の発表によると、アメリカ国内だけでも繊維筋痛症と診断されている人の数は500万人を超えていることが明らかになっているからです。
今回の報告の基となった臨床試験の詳細はというと、閉経前の60人の繊維筋痛症を患う女性と、健康的な20人を選出し、下記の3つのグループに分けて調査したものです。
・一日1300mgのマグネシウム栄養素
・一日10mgの一般的に繊維筋痛症に使用されるアミトリプチリン投薬
・マグネシウムと投薬
研究者らは調査前と上記摂取8週間後の両方において、それぞれの痛み度合い、値、点の数と指数、血液で赤血球のマグネシウムの値を測定して評価したところ、繊維筋痛症は健常者と比較した場合にマグネシウムの値が低かったものの、マグネシウム栄養素の摂取が上がるにつれて、繊維筋痛症の症状が軽減されたと報告されています。
また、痛み度合い、値、点の数と指数、血液で赤血球のマグネシウムの値に加えて抗うつスコアにおいてもマグネシウム栄養素を摂取した被験者グループにおいては、8週間後には下がっていたことからも、研究者らは結論として、赤血球中のミネラル類のマグネシウム値が低いことは繊維筋痛症の原因となっている可能性があると伝えています。
マグネシウムを含む食べ物:
マグネシウムを豊富に含んでいる食べ物の代表例として、玄米、イワシ、アサリ、カキ、ほうれん草、そば、アーモンドなどがあります。
Bagis S, et al. Rheymatol Int. 2012 Jan. 22.
Mg. moderates Fibromyalgia Symptoms