乱れた腸内環境や腸の健康そして全身の健康を改善するための9の方法
腸の健康は、消化管に生息する微生物のバランスによって大きく左右されます。
腸の健康を維持し、こうした微生物の適切なバランスを維持することで、身体的、精神的健康や免疫力の向上などカラダに良い影響を与えると考えられています。
腸内微生物叢を改善し、全身の健康を高める可能性のある科学的に裏付けられた9の方法を紹介します。
腸の健康を改善する具体的な方法
1. 発酵食品を食べてプロバイオティクスを摂取する
プロバイオティクスは、人にとって有益な細菌です。
プロバイオティクスにより腸内微生物叢の健康が促進され、腸の炎症やその他の腸の問題を予防できる可能性があることが示唆されています。
プロバイオティクスを増やすために、プロバイオティクスのサプリメントを摂取する人もいますが、できれば自然な食品から摂取したいところです。
そういった意味では、発酵食品はプロバイオティクスの宝庫ともいえる天然源です。
次のような食品を定期的に摂取すると、腸の健康が改善される可能性があります。
-味噌、醤油
-キムチ
-紅茶キノコ
-ザワークラウト
-ヨーグルト
2. プレバイオティクス繊維を摂取する
プロバイオティクスは、プレバイオティクスと呼ばれる消化されない炭水化物を餌とします。
そのため、プレバイオティクスの摂取により、腸内で有益な細菌を増やすことができます。
腸の健康を高めたい人は、次のようなプレバイオティクスが豊富な食品を食事にもっと取り入れることをお勧めします。
-アスパラガス
-バナナ
-ニンニク
-玉ねぎ
-全粒穀物
3. 砂糖や甘味料を控える
砂糖や人工甘味料を多く摂取すると、腸内細菌のバランスが崩れる腸内細菌叢異常症を引き起こす可能性があります。
2015年に動物を対象に行われた研究によると、砂糖と脂肪の多い標準的な西洋の食事が腸内細菌叢に悪影響を及ぼすと示唆しています。
その結果、脳や行動に影響を及ぼす可能性もあるようです。
別の動物研究によると、人工甘味料のアスパルテームは、代謝性疾患に関連する細菌株の数を増やすことが報告されています。
代謝性疾患とは、糖尿病や心臓病のリスクを高める一連の疾患を指します。
また、別の研究によると、人工甘味料は腸内細菌叢に影響を及ぼすため、人間が使用すると血糖値に悪影響を与える可能性があるとされています。
つまり、人工甘味料は実際には砂糖ではないにもかかわらず、血糖値を上げる可能性があるということです。
4. ストレスを減らす
睡眠不足は腸の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
動物実験では、心理的ストレス要因は、たとえストレスが短期間であっても、腸内の微生物を混乱させる可能性があることが示唆されています。
人間の場合、以下のようなさまざまなストレス要因が腸の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
-心理的ストレス
-極端な暑さ、寒さ、騒音などの環境ストレス
-睡眠不足
-概日リズムの乱れ
ストレスを管理する方法には、瞑想や深呼吸、定期的な運動、十分な睡眠、健康的な食事などいろいろあります。
自分に合ったストレス解消法を持っておくと良いですね。
5. 抗生物質の不必要な服用を避ける
細菌感染症と闘うために抗生物質を服用する必要があることがあります。
しかし、抗生物質は腸内細菌叢と免疫にダメージを与え、良い菌まで殺してしまうことで知られています。
なんと、使用後6か月経っても腸内には有益な細菌が数種不足しているとの研究報告もあります。
安易に処方されたとおりに薬を使用するのではなく、抗生物質を使用前に、医師と話し合うことも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
6. 定期的に運動する
定期的な運動は心臓の健康や体重減少、体重維持に役立ちます。
研究によると、運動は腸内環境の改善にもつながり、肥満の抑制にも役立つ可能性があります。
運動は腸内性菌の種類の多様性を高める可能性があります。
2014年の研究では、アスリートは非アスリートよりも腸内細菌叢の種類が多いことがわかりました。
毎日は難しい場合でも、週に数回は身体を動かすことをお勧めします。
7. 十分な睡眠をとる
十分な良質の睡眠をとると、気分、認知力、腸の健康が改善されます。
2014年の動物実験では、不規則な睡眠習慣や睡眠障害は腸内細菌叢に悪影響を及ぼし、炎症性疾患のリスクを高める可能性があることが示されています。
成人は少なくとも一日に7時間の睡眠をとる必要があります。
毎日同じ時間に就寝し、同じ時間に起床することで、健康的な睡眠習慣を確立することをお勧めします。
8. 喫煙を避ける
喫煙は、腸の健康だけでなく、心臓と肺の健康にも影響を及ぼします。また、がんのリスクも大幅に高まります。
研究によると、喫煙は有害な微生物を増やし、有益な微生物のレベルを低下させることで腸内細菌叢を変化させることがわかっているようです。
これらの影響により、炎症性腸疾患 (IBD) などの腸や全身の疾患のリスクが高まる可能性があります。
9. ベジタリアン食を摂る
ベジタリアン食を摂ることで、腸の健康が改善される可能性があります。
研究では、ベジタリアンと肉食の人の腸内細菌叢には大きな違いがあることが実証されています。
ベジタリアン食にはプレバイオティクス繊維が多く含まれているため、腸の健康が改善される可能性があります。
そのため、日ごろの食事に野菜を多く取り入れることがおすすめの食事といえます。
腸を健康に保つことは、全体的な健康と免疫機能の向上につながります。
適切なライフスタイルと食生活の変更により、腸内細菌の多様性と数をより良い方向に変えることが可能です。
ただし、過敏性腸症候群などの症状を持つ方は、食生活を大幅に変更する前に、必要であれば医師に相談することをお勧めします。
関連する記事:
睡眠と腸内環境とホルモンバランス
胃腸内環境やマイクロバイオームが健康かどうかの見分け方
マイクロバイオームと腸内環境を若返らせて若さを保つためにおすすめ
お問い合わせはこちらから
受付時間 am9:00-pm5:00/土・日・祝日除く
引用文献: