肺にダメージを与える慢性閉塞性肺疾患COPDをコントロールするための食事とは
COPDは、時間の経過とともに肺にダメージを与える病気です。
症状は軽度から始まりますが、その後悪化することがあり、重篤な症状となる場合もあるようです。
幸いなことに、健康的な食事で慢性閉塞性肺疾患 (COPD)をコントロールすることができる可能性が報告されています。
COPDの症状や原因と、食事で気を付ける点について見ていきます。
慢性閉塞性肺疾患COPDとは
慢性閉塞性肺疾患COPDは、進行性の肺疾患で、呼吸が苦しくなることが特徴の疾患です。
最初は症状が軽く、息切れ程度だと思う人が多いようです。
しかし進行するにつれて、呼吸症状はどんどん悪化していくようです。
肺の損傷が進むと、以下のような症状が現れます。
-階段を上るような軽い運動でも息切れがする。
-喘鳴(ゼイゼイ)・・・特に息を吐くときに、より高い音でうるさい呼吸をする。
-胸のつかえ
-粘液を伴う、または伴わない慢性的な咳
-毎日、肺の粘液を取り除く必要がある状態
またさらに悪化すると、以下のような症状も現れるようです。
-疲労
-足、足首、脚のむくみ
-体重減少
喫煙している場合は、特に症状が悪化することがあります。
また、病気が進行すると、以下のような合併症を起こしやすくなるようです。
-風邪、インフルエンザ、肺炎などの呼吸器感染症
-心臓疾患
-肺動脈の高血圧(肺高血圧症)
-肺がん
-うつ病や不安神経症
COPDの原因は?
COPD患者の多くは40歳以上で、喫煙歴がある場合が多いようです。
喫煙期間が長いほど、また喫煙本数が多いほど、COPDのリスクは高くなります。
タバコの煙だけでなく、葉巻の煙、パイプの煙、副流煙もCOPDの原因になります。
喘息があり喫煙している場合は、COPDのリスクはさらに高くなります。
また、職場で化学物質やガスにさらされた場合もCOPDになる可能性があります。
大気汚染に長期間さらされたり、ほこりを吸い込んだりすることも、同様にCOPDの原因になります。
国や地域によっては、タバコの煙だけでなく、家の換気が不十分なことも原因となり得ます。
COPD患者におすすめの食品
健康的な食事は慢性閉塞性肺疾患(COPD)を治すことはできませんが、入院につながる可能性のある胸部感染症などの感染症を管理するのに役立ちます。
たとえば、炭水化物を減らした食事は、二酸化炭素の発生を抑えるため、COPD患者の健康管理に役立つ可能性があるようです。
また、伝統的な和食や地中海食のように、全食品、野菜、健康的な脂肪を多く含む食事は、COPDの肺機能を維持し、発症のリスクも減らすことができるそうです。
具体的におすすめの食品は次の通りです。
・タンパク質が豊富な食品
–豆類
-赤身の鶏肉
-卵
-赤身の肉
-サケ、サバ、イワシなどの脂ののったオメガ3脂肪酸を含む魚
・複合炭水化物
炭水化物を食事に取り入れるなら、複合炭水化物の選択が良さそうです。
これらの食品には食物繊維が多く含まれており、消化器系の機能を高め、血糖値の管理を改善するのに役立ちます。
-エンドウ豆
-ふすま
-皮付きジャガイモ
-レンズ豆
-キヌア
-豆類
-オート麦
-大麦
・カリウムを多く含む食品
カリウムは肺の機能に不可欠であるため、カリウム不足は呼吸障害を引き起こす可能性があるようです。
以下のようなカリウムを多く含む食品を摂るようにしましょう。
-アボカド
-濃い葉野菜
-トマト
-アスパラガス
-ビーツ
-ジャガイモ
-バナナ
-オレンジ
・ヘルシーな脂肪
高脂肪食を選ぶときは、揚げ物を選ぶ代わりに、次のような脂肪を含むスナックや食事を選ぶことがコツであるようです。
-アボカド
-ナッツ類
-種子類
-ココナッツとココナッツオイル
-オリーブとオリーブオイル
-脂ののった魚
-チーズ
COPD患者が避けたほうが良い食品
一方で、特定の食品は、ガスや膨満感などの問題を引き起こしたり、栄養価がほとんどないことがあります。
避けるべき、または最小限に抑えるべき食品は以下の通りです。
-塩分: ナトリウムや塩分の摂りすぎは、水分貯留を引き起こし、呼吸に悪影響を与える可能性があります。
-特定の果物:りんご、アプリコットや桃などの核果類、メロンは、発酵性炭水化物のため、人によっては腹部膨満感やガスを引き起こすことがあります。これはCOPDの人の呼吸障害につながる可能性があります。
-一部の野菜: 多くの野菜や豆類は腹部膨満感やガスの原因となる:
-豆類
-芽キャベツ
-キャベツ
-カリフラワー
-トウモロコシ
-玉ねぎ
-エンドウ豆
-乳製品: 牛乳やチーズなどの乳製品は痰を濃くするそうです。
-揚げ物: 揚げ物や油っこい食べ物は、ガスや消化不良の原因になります。
スパイスの効いた食べ物も不快感を引き起こし、呼吸に影響を与えることがあります。
水分補給の大切さ
COPDの人は1日を通して水分をたくさん摂るようにしましょう。
コーヒーや紅茶などのカフェイン入りの飲み物は避け、カフェインを含まない類の飲み物を1日6~8杯程度飲むことをお勧めします。
十分な水分補給は粘液を薄く保ち、咳き込みやすくなり、呼吸も安定しやすくなるのではないでしょうか。
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引用文献:
What Is Chronic Obstructive Pulmonary Disease (COPD)?
https://www.healthline.com/health/copd/diet-nutrition COPD Nutrition Guide: 5 Diet Tips for People with Chronic Obstructive Pulmonary Disease