片頭痛は腸炎の過敏性腸症候群 (IBS) の原因と関連性?
片頭痛は誰もが経験する可能性のある一般的な症状ですが、研究によると、片頭痛が胃腸疾患のリスクを高める可能性があるようです。
韓国のソウル国立大学医学部の新しい研究では、片頭痛と炎症性腸疾患(IBD)のリスク増加との間に関連性がある可能性があることがわかったようです。
片頭痛と、過敏性腸症候群 (IBS) などの胃腸疾患との関連について探っていきます。
Contents
片頭痛は
片頭痛は一般的ではありますが、非常に特殊なタイプの頭痛です。
片頭痛は通常、頭の片側または両側に発生するズキズキする頭痛です。
時には、吐き気や視力の変化を伴う場合も少なくないことが報告されているようです。
片頭痛を患っているほとんどの人は、こうした頭痛の発作に長年にわたって繰り返し襲われている人も少なくないとのことです。
炎症性腸疾患は
炎症性腸疾患(IBD)は、主に大腸を炎症させる慢性的な疾患です。
代表的なものには、クローン病と潰瘍性大腸炎があります。
これらの疾患は、腹痛、下痢、血便などの症状を引き起こすことがあります。
片頭痛と炎症性腸疾患の研究
アメリカテキサス州で消化器病学、肝臓病学、栄養学部門の専門であるブルックス・D・キャッシュ博士によると、消化器病学の分野では片頭痛が関連していることを長年認識してきたのだそうです。
片頭痛と炎症性腸疾患との関連性については、以前より研究が進められてきたようです。
2021年3月に発表された米国の人々を対象とした研究では、IBD を患っている成人では、そうでない成人よりも片頭痛または重度の頭痛の有病率が高いことが判明しました。
また、2023年3月に発表された研究では、前兆の有無に関わらず片頭痛を持つ人々でIBDの有病率が増加していることが報告されたのだそうです。
今回の韓国での研究では、1000万人以上から得たデータを分析したそうです。
データを通じて、科学者らは片頭痛のある人ではない人に比べてIBDの発生率が著しく高いことを発見しました。
科学者らはまた、クローン病と潰瘍性大腸炎の発生率に関してもデータを検討したそうです。
この結果も、片頭痛のある人は、片頭痛のない人と比較した場合、どちらかの疾患を発症するリスクが高かったことが報告されています。
さらに、片頭痛が潰瘍性大腸炎の発症リスクに及ぼす影響は、女性よりも男性の方が顕著であることもまた報告されています。
片頭痛の予防
このように、片頭痛は炎症性腸疾患を発症する原因の一つとなる可能性があります。
では、片頭痛を予防するにはどのような方法があるでしょうか?
片頭痛は、特定の活動、食べ物、匂い、または感情によって引き起こされる可能性があります。
ストレスがかかっているときに片頭痛を発症する可能性が高い人もいれば、ストレスが解消されたとき(たとえば、試験の翌日や重要な会議)に片頭痛を発症する人もいます。
また、女性では、月経の時期に頭痛が発生したり悪化したりすることがよくあるようです。
すべての片頭痛を予防できるわけではありませんが、引き金とも呼ばれるいわゆるトリガーを特定することで、片頭痛発作の頻度と重症度を減らすことができる可能性があります。
一般的な片頭痛のトリガーには次のものがあります。
-カフェインの過剰な接種
-チラミンを含むものを含む特定の食品および飲料(熟成チーズ、肉、発酵飲料)、亜硫酸塩(保存食品、ワイン)、グルタミン酸ナトリウム(MSG)、一般的な調味料
-ストレス、またはストレスからの解放
-ホルモンレベル(月経周期、経口避妊薬やエストロゲンなどのホルモン含有薬)
-睡眠不足または睡眠パターンの乱れ
-旅行や天候や高度の変化
-鎮痛薬の乱用
考えられるすべてのトリガーを回避したとしても、片頭痛に襲われる可能性はあります。
しかし、これらの原因物質やトリガーを避けながら、ヨガ、鍼治療、マッサージ、定期的な運動などを取り入れることは、片頭痛の予防につながる可能性があるようです。
穏やかな生活を心がけることは片頭痛の予防にも、過敏性腸症候群の予防にもつながるようです。
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引用文献:
Migraine linked to increased risk of IBD in new study
Migraine