自己免疫疾患と副腎疲労のアジソン病の症状とおすすめの食事?
「アジソン病」について聞いたことがあるでしょうか?
アジソン病は非常にまれな疾患で、100万人中約100人から140人しか罹患しないと考えられています。
しかし、治療せずに放置すると、疲労、体重減少、筋力低下を引き起こす可能性があるようです。
アジソン病について、症状や食事療法などの知っておくべきことをご紹介します。
アジソン病とは?
アジソン病は、副腎が十分に機能しない副腎不全の一種です。
アジソン病は副腎不全とも呼ばれ、副腎がコルチゾールというホルモン、場合によってはアルドステロンというホルモンを十分に生成しない状態です。
これらのホルモンは、ストレス管理、血圧の調節、体液と電解質のバランスの維持など、さまざまな身体機能に重要です。
アジソン病の一般的な症状
アジソン病は副腎に関連する疾患の一つです。
アジソン病の症状は通常、徐々に現れ、次のような症状があります。
-顕著な疲労
-吐き気と嘔吐
-腹痛
-下痢
-食欲不振
-減量
-筋肉と関節の痛み
-筋肉のけいれん
-筋力低下
-立ち上がるとめまいがする(低血圧が原因)
-気分が変わる
-集中力の低下
-突然の塩分への渇望
-体毛の喪失
-月経不順
-性欲減退
アジソン病の症状は曖昧で、ゆっくりと進行する可能性があるため、見逃しがちなようです。
皮膚に黒い斑点が現れる色素沈着過剰は、多くの場合、アジソン病の初期の兆候と見られています。
また、いつも疲れていると感じている場合、または減らそうとしていないのに体重が減った場合は、アジソン病を疑ってみても良いかもしれません。
アジソン病の原因?
アジソン病は、副腎の損傷によって引き起こされるのだそうです。
副腎とは腎臓にある小さな腺で、代謝や血圧から免疫機能まですべてを調節するさまざまなホルモンを産生する器官です。
最大90%の確率で、この損傷は、体自身の免疫系が副腎を攻撃する自己免疫疾患によるものと言う結果が出ています。
結核などの特定の感染症も副腎に損傷を与える可能性があります。
まれに、アジソン病が遺伝性疾患や副腎がんによって引き起こされることがあります。
抗真菌薬のような特定の薬も、この状態を引き起こす可能性があります。
アジソン病は誰でも発症する可能性がありますが、女性や30歳から50歳くらいまでの人々に多く見られるようです。
また、1型糖尿病、バセドウ病、悪性貧血など、別の自己免疫疾患がある場合もリスクが高くなる可能性があります。
アジソン病におすすめの食生活
アジソン病の診断には食事の変更が必要な場合があり、食事を工夫することで症状の改善に役立つ場合があるようです。
その方法は、電解質の不均衡を管理し、病気やストレス時に増加するコルチゾールなどのホルモンの必要量に適応することを目的としています。
具体的な食事のガイドラインは次のとおりです。
-バランスの取れた食事:
果物、野菜、赤身のタンパク質、全粒穀物、健康的な脂肪など、さまざまな食品をバランスよく摂取することが大切です。
これにより、必須栄養素を確実に摂取できます。
-塩分摂取:
アルドステロン (塩分バランスホルモン) が少ないアジソン病患者は、高ナトリウム食がおすすめされます。
-水分補給:
アジソン病患者は脱水症状に悩まされることがあります。
そのため特に暖かい季節や病気やストレスを感じているときは、十分な水分を摂取して水分補給を行うことが大切です。
-ブドウ糖を多く含む食品:
アジソン病の患者は、疲労感や集中力の低下など、低血糖に似た症状を経験することがあります。
2010 年に行われた小規模な研究では、ブドウ糖を多く含む食品を摂取するとこれらの症状が改善することが報告されています。
アジソン病の人が避けたほうが良い食事
アジソン病患者は、症状を悪化させる可能性のある食べ物や食習慣に注意すると良いようです。
避けたほうが良いとされる食品は次のとおりです。
-カフェインを多く含む食べ物や飲み物:
カフェインを多く摂取すると、神経過敏や心拍数の上昇など、副腎機能不全の症状が悪化する可能性があります。
-加工食品:
アジソン病患者の中にはナトリウム摂取量を増やす必要がある人もいますが、その場場合も加工食品ではなく、食卓塩や塩分を含む食品 (漬物など) などからナトリウムを摂取することが大切です。
加工食品やナトリウムを多く含むコンビニ食品は、塩分が最良ではない可能性があるだけでなく、不要な添加物が含まれている可能性があります。
-グレープフルーツとグレープフルーツジュース:
グレープフルーツは、グルココルチコイドなどのアジソン病の治療に使用される一部の薬と相互作用し、薬の効力を強める可能性があります。
-繊維質の多い食品:
繊維質を過剰に摂取すると、一部の薬剤の吸収を妨げる可能性があります。
特にブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、芽キャベツなどの生のアブラナ科の野菜や全粒穀物からの摂取は留意が必要なようです。
-アルコール:
アルコールを過剰に摂取すると、身体が薬剤を吸収して使用する方法に影響を与える可能性があります。
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引用文献:
Addison’s disease: Overview of an uncommon but serious condition
What Is the Best Diet for Addison’s Disease?