コーヒーを飲むと起こる腸内細菌叢の変化!?
寒い季節には温かいコーヒーが美味しいですよね。
コーヒーは、世界中で消費されている最も人気のある飲料の1つで、多くの人にとって毎日の必需品であるかもしれません。
適度な量のコーヒーが体に良いことがわかっていますが、腸内細菌とはどのような関係があるのでしょうか?
コーヒーを飲むと起こる腸内細菌の変化についてご報告します。
コーヒーが腸内細菌叢に与える影響?
最近の研究では、コーヒーの摂取と腸内細菌叢の構成との間に潜在的な関連があることが示唆されています。
具体的には、コーヒーは、「ローソニバクター・アサッカロリチカス」と呼ばれる腸内細菌を大幅に増加させる可能性があるようです。
新しい研究では、コーヒーが腸内でこの細菌の増殖を促進し、それが私たちの健康につながる可能性があるということが報告されています。
つまり、コーヒーを食事に取り入れることで腸内細菌叢の構成が強化され、全体的な健康をサポートする可能性があるようです。
ある研究では、コーヒーを飲む人と飲まない人から採取した便サンプルのデータを比較し、腸内細菌の違いを特定しました。
この研究では、コーヒー摂取とローソニバクター・アサッカロリチカスの間にありました。
コーヒーを飲む人は、飲まない人よりもローソニバクター・アサッカロリチカスのレベルが最大8倍も高かったそうです。
この細菌の正確な健康への影響はまだ不明ですが、コーヒーを飲むことに起因する健康への良い影響と関連している可能性があると考えられているようです。
カフェイン抜きコーヒーでも同様の結果に
研究者らはまた、カフェイン入りコーヒーとカフェイン抜きコーヒーをローソニバクター・アサッカロリチカスの培養物に加える試験管内実験も行ったようです。
その結果、どちらも細菌の増殖を促進したとのことです。
これは、カフェイン以外のコーヒーに含まれる化合物がローソニバクター・アサッカロリチカスの増殖に関わっている可能性を示唆しています。
全体として、この研究により、コーヒーが腸内細菌叢の構成を変え、ローソニバクター・アサッカロリチカスが特にコーヒー摂取に反応するということが裏付けられたようです。
ただし、この関係のメカニズムと潜在的な健康への影響を完全に理解するには、さらなる研究が必要とのことです。
コーヒーの摂取は全死亡リスクの低下と関連していることからも、、日々研究は進められています。
ローソニバクター・アサッカロリチカスのレベルが高いとなぜ有益か?
アリゾナ州フェニックスの消化器系栄養士は、ローソニバクター・アサッカロリチカスの利点について次のように述べられているようです。
「メカニズムはまだ完全には解明されていませんが、ローソニバクター・アサッカロリチカスは、キナ酸などのコーヒーのポリフェノールを、コーヒーの既知の利点に寄与する生理活性化合物に代謝する役割を果たしている可能性があります。」
ラッシュ大学健康科学部ラッシュ健康老化研究所の医師科学者で助教授のトーマス・M・ホランド医学博士(理学修士)も、
「確かなことはわからないものの、ローソニバクター・アサッカロリチカスはキナ酸などのコーヒー由来の化合物の代謝に関与することで、コーヒーの既知の健康効果と関連している可能性が高い」と同意したようです。
さらに、これが健康にどのような効果をもたらすかについても次のように説明されているようです。
「これらの代謝物や、ポリフェノールのクロロゲン酸やカテキン(フラボノイドのサブクラス)などの他の化合物は、腸の健康、炎症、または代謝プロセスに影響を及ぼし、心血管疾患などの慢性疾患のリスク軽減や腸内微生物叢の多様性向上に寄与する可能性があります。」
さらに、ホランド氏は「他の研究では、コーヒーの摂取が微生物の多様性や腸内細菌の有益性の増加と関連していることが示されてる」と指摘したようです。
「コーヒーのポリフェノールとクロロゲン酸はプレバイオティクスとして作用することが知られており、プレバイオティクスとは、特定の腸内細菌にとって好ましい環境を作り出す物質である」
「コーヒーはポリフェノールとプレバイオティクスのような効果によって微生物の多様性を高め、有益な細菌をサポートすることで、腸内微生物叢に良い影響を与える可能性がある」とも説明しているようです。
コーヒーのメリットを最大限に得る方法
このように、コーヒーの適度な摂取はほとんどの人にとって健康的な方法の一つであり、代謝と抗炎症特性に加えて、腸内微生物叢に対するメリットがあることがわかっているようです。
最大限のメリットを得るには、コーヒーをブラックで、または無糖の植物性ミルクなどの最小限の添加物で飲むことが良いようです。
もし、甘くしたい場合は、血糖値に優しいステビア、羅漢果、アルロースなどの天然の低カロリー甘味料を選ぶこともおすすめされています。
適度な摂取量(1日1~3杯)にとどめ、高品質のオーガニックコーヒーを選んで農薬への曝露を減らすことで、健康効果を最大限に高めることができるかもしれません。
さらに、ポリフェノールが豊富なアロニアベリーや、ブルーベリー、リンゴ、ナシなどクロロゲン酸を多く含む食品を食べることでも、ローソニバクター・アサッカロリチカスの増殖を促す可能性があるようです。
また、ローソニバクター・アサッカロリチカスと直接関連してはいませんが、発酵食品を摂取することで腸内細菌叢の多様性が全体的に促進され、腸の健康が促進されることは言うまでもありません。
コーヒーを楽しみながら、果物や発酵食品などもバランスよくいただき、より強固な腸内細菌を作ってみませんか。
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