大腸がんが子供や若者で増加している理由?
大腸がんは、通常50歳以上の成人でよくみられる疾患です。
ですが最近の研究では、子供や若者での早期発症率が上昇していることが示されているようです。
新しい研究では、過去20年間で15歳から19歳の10代の大腸がんの罹患率が3倍以上に増加したと報告されています。
子供や若年層での大腸がんの増加の背景や予防法を探ります。
若者の大腸がん罹患率の上昇
1999年から2020年までの10歳から44歳までの人々の結腸直腸がん罹患率の傾向を分析した研究があります。
研究者がデータを分析したところ、以下のような変化が発見されたようです。
-10歳から14歳の子ども:1999年の10万人あたり0.1人から、2020年には10万人あたり0.6人に増加
-15歳から10歳の十代の若者:1999年の10万人あたり0.3人から、2020年には10万人あたり1.3人に増加
-20歳から24歳の若年成人:1999年の10万人あたり0.7人から、2020年には10万人あたり2人に増加
また、1999年から2020年にかけて、30歳から34歳の成人で大腸がんの症例が71%増加し、35歳から39歳の成人で58%増加したことも報告されているようです。
大腸がんは、もはや高齢者だけの病気とは考えられていないようです。
なぜ若者の間で大腸がんが増えているのか?
研究では、以下のような危険因子が大腸がんの原因となる可能性があると示されています。
-ダイエット
-肥満
-睡眠の質が悪い
-飲酒
-喫煙
人々がより若い年齢で結腸がんと診断されているという事実には覚悟を持って向き合う必要がありそうです。
特に大切なのは、大腸がんの発症を防ぐために何ができるかをよく認識することかもしれません。
例えば、定期的な身体活動や加工食品や赤身の肉の摂取を減らすなどの予防方法が考えられます。
加工食品や高脂肪食の代わりに、果物、野菜、高繊維食を選択することもおすすめされます。
大腸がんのその他の考えられる原因
-抗生物質
専門家は、若年層における大腸がんの増加のもう一つの考えられる原因は、抗生物質の使用に関連している可能性があると述べているようです。
私たちの体にはマイクロバイオームとして知られる数兆個の細菌が存在し、これらの細菌が免疫システムにおいて重要な役割を果たし、大腸がんや心血管疾患の発症の予防に重要な役割を果たしていることはよく知られています。
しかし、若い頃の抗生物質の使用がこれらの重要な細菌の一部を無力化し、それにより将来的に若者が大腸がんを発症しやすくなる可能性があるようです。
抗生物質はできるだけ避けることが望ましく、どうしても必要な場合はプロバイオティクスを積極的に摂取するなどして、腸内環境の乱れに最大限注意することがおすすめです。
-炎症
炎症もまた大腸がんの発症と関連しており、すべての要因、すべての危険因子、ライフスタイル、そして私たちが食べるものは炎症を促進すると考えられています。
若いうちから、バランスの取れた食事や新鮮な食べ物を食べること、さらに座りっぱなしの生活を避けて定期的に運動することなどが、抗炎症につながるようです。
また、若年層での飲酒や喫煙は大腸がん予防を考えた場合には、とくに避けるほうが無難でおすすめといえそうです。
がんの予防と抑制の取り組みの観点からも、アルコール、喫煙、肥満に関連するリスクだけでなく、座りっぱなしにならないように健康的なライフスタイルを維持することの重要性にも焦点を当てることが非常に重要なようです。
まとめ
大腸がんはもはや年配の病気ではなく、子供や若者の間でも大腸がんが増加しているようです。
その原因は、加工食品などの食べ物や無理なダイエット、肥満、睡眠、飲酒、喫煙などが考えられているようです。
また、抗生物質の使用や炎症もまた、大腸がんの原因となる可能性があるようです。
大腸がんを避けるためには野菜や果物を豊富に摂取し、規則正しい生活をするなどの基本的なことが何もよりも大切と言えそうです。
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引用文献:
Colorectal cancer is rising in children, teens, and young adults, study finds